52話
聖剣の弱点、それは自分と動向を共にする仲間だ。
少なければ少ないほど聖剣の力が弱くなる。
仲間を倒せばその威力は減退する。
なので、聖剣を無力化することは不可能だが、最小限にできる可能性はある。
「聖剣は仲間、同行する仲間の人数とそいつの同行期間が長いほど威力が上がるんだ。 それが聖剣の長所であり弱点でもあるということだ」
「では仲間をどうにかすれば、聖剣は真の力を発揮しないのだな?」
「多分、そうだと思う」
ぶっちゃけ使い方を教えてもらい使ったのは只の一回だからな。
「多分とはどういう……」
「一回、一年前にお前達がしてきた時しか聖剣は使ってないからな」
「そういえば、あの時聖剣は持っていなかったよな?」
あの時、とは恐らく最終決戦の魔王との戦いのときだろう。
「あぁ、邪魔だから置いてきた……だって重いし、無駄に大きいから動きにくいし」
ウルスラは呆れたような溜息を吐きながら僕を見る。
「よく聖剣に選ばれたな」
全くその通りである。
確かに昔の僕は弱く、投影と錬成魔法の独学で悩み、苦しんでいた。
そして聖剣が現れてからその全てが解決した。
独学ではなく正規の魔法を学び、独学と改良を施してやっと今の僕の魔法が出来上がったのだ。
聖剣に選ばれなければ今もエレナやノウェムが死んだ事実を知らず、悲しみや自身の無力さに苛まれて苦しんでいただろう。
そういう意味で、僕は選ばれたことを感謝するべきかもしれない。
「まぁ、選ばれたおかげで今があるわけだしな」
そうして全ての報告を終えて帰路に着いた。
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