33話 合格
「ふぅ……」
魔法を解除して子供たちを見る。
よかった、子供たちに怪我がないようだ。
子供たちは何が起こったのかわからず、その場に立ち尽くしている。
子供たちの絶対の魔法だろう。
普通の奴らならこのまま為す術もなく捕まっていただろう。
だが、僕は元勇者にして過去最強とうたわれた投影の勇者だ。
因みに各勇者には二つ名がある場合もある。
因みにエレナは剣戟の勇者と呼ばれ≪剣において≫は僕ですら勝つことは出来ない。
勇者ではないが、ノウェムは逆法の魔導士と呼ばれている。
理由は通常時と魔法詠唱の口調の速さが全然違うのでそう呼ばれている。
目の前の皆が静まり返っていると、カノンが両手を二回叩く。
「は~い、皆ちゃんと練習してますね。 偉いですよ~、それじゃあ今日は私はこの人と遊びますね~」
子供達は「えぇ~!」っと言って、僕をにらみつける。
「ほらまた遊んであげるから、ね?」
そういうと、ブーたれながら立ち去っていく。
「助かった」
「いいわよ、それより子供達の相手ありがとう」
「それはいいが、どうしてあんな事を?」
理由は分かっているがカノンに問う。
「貴方があの子達を傷つけないか、それを確認していただけよ。 それに、あの子達を守るに値するかもね」
予想通りのお試しだったわけか。
「僕が居なくとも十分あの子達は強いだろう?」
「だとしても、預けるからにはしっかり守ってくれる奴でないと任せられないわ」
要は彼女の納得する強さを見せる事が必要だというわけだ。
「それで? 結果は?」
「いうまでもないわ、貴方に任せる。 この子達をどうか、よろしく」
カノンは頭を下げて言う。
その声にはどこか切実な思いのこもった声だった。
「任せろ、ここにいる間は守ってやる」
そういうと、カノンと再び辺りを回った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます