19 素のウルスラ

「……なぁ、何でここにいるんだ?」


 僕は今、花湯を作りながら机に座っている三人に問いかける。


「いいじゃない、どうせ一人なんでしょ」

「そうそう、気にしたら~負けだよ~」

「そうだそうだ~」


 こいつ等……!

 っというかどんどんこいつの口調子供っぽくなってるな……。

 

 若しくはこれが本当の彼女のなのかもしれない。

 いつもは魔族の王としての威厳を保つため、あんな風に振る舞っているが今の彼女の方がどこか近づきやすさがある。


 何だよ、ウルスラ……そっちの方が可愛いじゃないか。


 そう思って花湯を置くいてウルスラを見ると、顔を真っ赤にして僕を見ている。


「どうした?」

「声、出てたよ~」


 僕が問いかけるとノウェムが答える。

 しまった声に出てしまっていたか……。

 ウルスラは俯く。


「君ってそういう所だよね~、この女ったらし~」

「そ、そんなつもりは……」

「ウルはちょろいんだから、駄目だよ」

「ちょろくない!」


 ウルスラはそう言うと立ち上がる。

 

「私は大人の女だ! ほれ、見てみろ……このスタイル!」


 ウルスラは胸と腰を強調してきたが、全く意味をなしていない。

 言っちゃあなんだが、顔も童顔で彼女は全体的に幼く見えるのだ。


「うわぁ~、凄いね~」


 ノウェムの言葉にウィンクする。


「でしょ~!」

「それじゃあ、私も~」


 ノウェムもウルスラと同じポーズをする。

 ノウェムがやると何というか、ウルスラと違って目のやり場に困る。 

 ウルスラと大して変わらないが、出るところはしっかりでている。


「あ、スケベがいる~」


 悪戯っぽい笑顔でそう言うと、僕は左手を前に出す。


「危ないじゃないか……」


 僕は魔法を放った張本人のエレナに言う。


「変態成敗」


 僕をジットリとした蔑んだ瞳で見てくる。

 その眼、懐かしいけどやめて!




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