推理小説の哲学

海野わたる

個人的に感じた推理小説の鉄則

 はじめに 私は人様の作品を貶そうとか、馬鹿にしようと思うのではなく、現状気がついた、自身が守るべき鉄の掟として、その記録として、以下の文章を記そうと思います。


 1.科学的に説明のつかないトリックはだめだ。説得力が欠如し、読者が白けてしまう。

(先に記述や解説があるものなら、魔法などの突飛なものでもその限りではない。まあ書くことは無いと思うけど。)


 2.脅迫して第三者を協力させるのは適切ではない。(根拠があり、物語上でうまく作用している共犯は別。愛国殺人や、オリエント急行は素晴らしかった。)


3 .偶然に成立した犯行は認められない。

犯人が確信を持って犯罪に踏み切るだけの計画性が必要である。


 4. 怨恨等を動機とした殺人は基本的には勧めない。犯人像が小さくなってしまう。


 殺人は手段である。目的として描いてしまうと、ただの人殺しとして物語が行き詰まってしまう。(短編とかは心情描写に割く時間もないからしゃーないよね。)


5.葛藤は犯人の心理状況として相応しくない。読者の共感を得られる利点はあるが、殺人鬼としての信念を持つべきだ。


6.過度に警察を無能化するのは良い選択では無い。明らかに軽率なトリックは再考すべきである。


7.テーゼとアンチテーゼ、ジンテーゼを最初に規定し、それを支柱として物語を形成すべきだ。まとまりのある内容になるだろう。

(どのジャンルでも言えることだね。)


8.探偵と主人公、脇役にも目的を持たせなければならない。真に重要なのは事件ののちに各々がどういった結論を導き出すかである。


9.全ての要素が多角的に機能するよう組み込むべきだ。これに反するものはアイデアではなく単なる思いつきである。

(例 山荘の殺人 と銘打っているのに、山荘ではなくとも物語として不足ない場合は、山荘という場所のアイデアが死んでいる。

アパートの殺人でよくね?って思っちゃうよね。)


10.狂人や、きちがいにも規則性や論理がある。常人との違いは形成方法がいびつだっただけなのだろう。


以上の十箇条を自分に課す。最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。そんな人いるのかな?笑。でっかい作家になるぞお。


ー了ー

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推理小説の哲学 海野わたる @uminowataru

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