デザイナーメモ キャラクターデータ 神奈水樹

 神奈水樹。

 孤児院にて育ち、小学校高学年時に師匠である神奈世羅に拾われて弟子として育てられる。

 その占いの才能と人心掌握術にて頭角を現し、正式に神奈世羅の養子として引き取られる。

 占い師である神奈家は、桂華院公爵家先代となる桂華院彦麻呂をパトロンに持ち、その権勢を支えるだけでなく、桂華院彦麻呂や他の政財界要人の妾として当時の日本政財界に影響力を発揮。

 占い師としての神奈家の名前を華族や財閥関係者に植え付けることに成功する。

 神奈世羅に直系の子女は居ない。代わりに孤児院から女児を養子として取っており、彼女ら『神奈世羅の娘たち』が上級階級にネットワークを構築。その影響力を維持する事に成功するが、引き換えに上流階級間の裏の利害調整弁としての役割を背負う事にもなった。神奈水樹もその一人で、神奈世羅が自ら取った最後の、かつ、最高の娘である。

 この頃になると桂華院家の代替わりに加え、バブルの崩壊でパトロン達が受けた打撃が神奈一門にも影響を与えており、一線を退いた神奈世羅の後釜を巡ってお家争いが勃発。

 本来ならば、それに巻き込まれる形で神奈の名前も歴史の闇に消えるはずだった。

 神奈世羅が最後の娘を帝都学習館学園の中等部にコネで送り込むなどという一手を打たなければ。

 その神奈水樹の同年代に、桂華院瑠奈という人間が居なければ。

 ゲームでは、神奈水樹の奔放な恋愛騒動に桂華院瑠奈は振り回され、桂華院瑠奈の学校内における道化役としての立ち位置を得た事で、彼女は中高生時代にその才能を花開かせる。

 占い師神奈水樹の本質は、『勝ち馬に乗る』のではなく『乗った馬が勝つ』というもので、彼女を味方に付けた桂華院瑠奈は学内での敵に怯えることは無くなってゆく。

 ただ、何の身分もない中学生だった事でこの影響力が学園内にしか発揮されなかったのは、恋住政権下における財閥及び華族解体に振り回されていた桂華院瑠奈にとって『運が悪かった』と言う他ない。

 優秀な成績をもって桂華院瑠奈と共に高等部に進級。

 特待生枠だった小鳥遊瑞穂とも友好関係を築き、この二人の対立に自然にさり気なく保険を掛けておく。

 校内でも占い師として名前が知られており、そこから入る莫大な情報と最先端の流行の提供は、ゲーム攻略のヒントキャラとしてのもの。

 特待生改善運動を発端に頂点まで対立が高まった高等部三年時の二学期、神奈水樹は桂華院瑠奈側に立ちつつも小鳥遊瑞穂との対立回避を最後まで模索した。

 そのため、ゲームにおける攻略キャラである三人の排除を真っ先に食らう事になった。

 彼女の立ち位置から、泉川裕次郎が桂華院派内の華月詩織が反神奈水樹感情を持っていることを見抜いてそれに火をつけ、帝亜栄一が帝亜グループ後援の海外留学生に彼女を推薦して留学を受けるように仕向けて肝心な時に桂華院瑠奈の側から離し、後藤光也がそのタイムスケジュールで特待生改革の校則変更を持ち掛けたのだ。


 最も必要な時に最も必要な人間を失った桂華院瑠奈は、こうして悪役令嬢として敗北する。


 神奈水樹は最期まで占い師であった。

 その妹弟子で魔術師に成り果てた相良絵梨と違って。

 卒業後、大学部に行かず海外留学を選択し、占い師として多くのパトロンと恋多き女として数多くの男性を得、長く続いた神奈一門のお家争いを終わらせ、神奈一門のトップとして君臨する。

 小鳥遊瑞穂とも友好関係を維持し、彼女のハッピーエンドをキャラクターとして保証する。

 エンディングの結婚式シーンに友人の一人として描かれているのがそれである。

 その隣に、桂華院瑠奈の没落後に知り合った妹弟子である相良絵梨の姿もあった。



 神奈水樹

  5月28日生まれ。

  双子座。A型。

  誕生石 エメラルド

  誕生花 赤薔薇


 性格

  友達思いな清楚系ビッチ


口癖 

 「勝つ負けるじゃないの。

  私の付く方が勝つのだから♪」




 この物語において意識しなければならないのは、マジ物座敷童子少女である開法院蛍との関係である。

 成長するにつれオカルトパワーが弱体化してゆき人になってゆく蛍と、純粋な運命でその力が落ちるどころか増してゆく水樹との関係は、桂華院瑠奈と春日乃明日香を交えて中等部時に一話作る事。

 また、水樹経由で神奈世羅との面会で己の運命を提示させるのも忘れないようにする。

 ゲームと違う側面で、橘由香と神奈水樹との対立も入れておくこと。

 橘由香と神奈水樹と華月詩織の三者は形成される桂華院派の譜代と外様と一門の関係だから、ここの人間関係は小鳥遊瑞穂との対峙で爆発しかねないという事を桂華院瑠奈に意識させること。


読者に向けての公約

 神奈水樹はビッチではあるが、そのビッチ描写を極力しないようにする。




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早乙女好雄枠なナチュラルボーンビッチ登場


神奈水樹のキャラ設定で一番影響を受けたのは麻耶雄嵩の『神様ゲーム』。

これ読んで、


「へー。

 ○学生にここまでやって良いんだ」


という出版の限界を確認できたのは凄く大きい。

 参考にしたのは誰かというのは読めばわかる。

 この時期の私はドラマ『貴族探偵』にドハマリしていた。

 瑠奈『貴族探偵』できるじゃん。

 させよう。



神奈水樹と相良絵梨

 『神奈世羅の娘たち』の中で、絵梨だけは親が居る上に家庭環境が崩壊していない。

 そのため、神奈一門では絵梨を正式な娘として見ていない連中もいる。

 その場合、絵梨が神奈絵梨と名乗る時は名を与えたのが神奈水樹と解釈され、当人たちはともかく回りは姉弟子と妹弟子ではなく師匠と弟子扱いになる。

 つまり、相良絵梨こと神奈絵梨は『神奈世羅の娘』ではなく、『神奈水樹の娘』として扱われる事になるのだが実際は……という事で、


 『昨日宰相今日JK明日悪役令嬢 恋愛陰謀増々版』

  https://ncode.syosetu.com/n0677cx/


を読んでねというダイレクトマーケティング。



 なお、エロ話を書こうとすると、水樹姉様と絵梨とシアさんが現代世界の海にスリングショット水着で遊びに行って地元チャラ男達にナンパされてチャラ男達を返り討ちというエロ話を温めていたのだが、『現実世界側にエロを持ち込まない』を制約にしていたのでこの妄想を書けず追っ払えずにエタる事になったという作者のこだわりを思い出したのでついでに出しておく。

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