13.それ、学歴詐称じゃない?
後ろから忍び寄る比和さんのドス黒い
ていうか聖女の聖気でも気分が悪くなっていたっけ。
弱点だらけ過ぎてそんなんでは勇者と戦う前にポシャるよ?
「
信楽さんが
「あの人には地雷探知機以上のぉ役目は期待してないですぅ。何かあったら反応しますのでぇ」
信楽さん冷たい。
「むしろカナリアかもしれませんね。鉱山に持ち込んで空気が悪くなったら囀ったり死んだりする」
比和さんも酷い事を平気で言っている。
そういえばこの人も卒業だったっけ。
心理歴史学講座の専門単位は水泳選手としてデビューして後の成績だけでクリア。
一般教養も真面目でコツコツやるタイプだから余裕で単位取得したらしい。
「お久しぶりです。矢代教授」
この言い方はよそ行きモードの静村さんか。
他にも自宅モードとか余暇モードがあるし、更に静姫様もいくつかの
何か知らないけどややこしさでは矢代家一番なんだよね。
「久しぶり、なのかな。そういえば最近は矢代家に来なかったね」
「遠征してましたから。欧州を転々と」
この季節に大会とかあったっけと思っていたら信楽さんが教えてくれた。
「温水プールでのぉ非公式大会ですぅ。というよりはぁエキジビションですねぇ。公式記録にはぁ残らないですぅ」
「水泳にもあるんだ」
知らなかった。
でも水泳で模範演技とかあるわけ?
「まぁ、一応は世界選手権保持者ですので。地元の有力選手と泳いだり子供達に潜りの技術を教えたりしました」
「……大丈夫なの? 普通の人は1時間とか潜っていられないでしょ?」
そう、静姫様は龍神を自認するだけあって何時間でも潜っていられるみたいなんだよ。
人前ではやらないけど。
高校時代には水泳の授業で見えないと思ったらプールの底で寝ていたという逸話があるとかないとか。
「そこの所は気をつけています。人間に無理な事を強要はしません」
今、自分が人間じゃ無いって暗に認めたね?
「ならいいけど」
まあ、僕が気にすることじゃないけどね。
今の静村さんは宝神総合大学スポーツ学部か何かの
当然マネージャやなんかがついていて気をつけてくれているはず。
「でも魚雷泳法は大受けでした」
そんなの人前でやっちゃ駄目じゃん!
それじゃまた、と言って去る静村さん。
珍しく静姫様が乱入してこなかったな。
「寝てるらしいですぅ」
そうなの。
静村さんはまだ矢代家に住んでいる事になっているんだけど、実際には宝神の構内にあるスポーツ学部の寮に部屋を持っていて遠征している時以外はそっちで暮らしている。
隣にある競技用の温水プールで一日中いつでも泳げて便利らしい。
「静村さんはどうするんだろう」
「大学院に進学ですぅ。水泳選手としてぇ現役でいるうちはぁそれで行くらしいですぅ」
ああ、なるほど。
オリンピック選手がどっかの大学で研究するという名目で所属するってよくあるよね。
もちろん本当に研究してもいい。
修士号とか取ったりして。
現役を引退するとそのままコーチになったりするんだよね。
「次のオリンピックまではぁこのまま行くみたいですぅ」
「そうか。だったらまだ浮いた話なんかなさそうだね」
ていうか静村さんは
渡辺さんや迫水くんに言わせると依代は普通の人間なんだよね。
でも当てにならないんだよなあ。
何せ静村さんや相沢さんみたいな規格外がいる。
渡辺さんたちは今のところ大人しくしているみたいだけど。
「そういえば他の神様たちは?」
「渡辺先輩もぉ迫水先輩もぉまだ3年生ですぅ。卒業してないのでぇこの懇親会には呼ばれてないですぅ」
そういえばそうだった。
何となく
相沢さんは僕より2つか3つ年上だし後の二人は年下。
迫水くんなんか態度からしてとてもそうは思えないけど。
ちなみに迫水くんは魔王軍の客将みたいな立場になってしまった。
何やってるのか知らないけど
その後、如月高校で僕の
人数が多い。
何せ高校2年の時の
まあ、護衛兵の中には来られない人もいたけど。
その他にもちらほら。
驚いた事に納屋くんも来ていた。
如月高校ヲタク部部長で大学1年のお正月に僕に直接就活してきた人だ。
長身のイケメンでバイリンガル。
敵だ(怒)。
「納屋くんって東大の学生だよね?」
「卒業したよ。で、矢代理事長が口をきいてくれたおかげで矢代興業に入れました。ありがとうございます」
律儀に頭を下げる
高校時代よりイケメン度が上がっていたりして。
「僕はコネつけただけだよ。入れたのは実績があるからじゃない? ずっと宝神でバイトしてたでしょ」
「うん。その甲斐あって正社員になれた。もっとも」
苦笑する納屋くん。
「宝神出身じゃないから出世は難しいって言われたけどね」
東大出なのに(泣)。
まあ、矢代興業は特殊過ぎるからね。
宝神を出たということは、今年に限って言えは間違いなく
来年からは非中二病の人も入り始めるけど今年の卒業生は全員が何らかの
そんな中に混じったらいかに東大出のイケメンだろうが苦戦するのは目に見えている。
というよりは正規社員として採用されたというのは凄いかも。
「何、すぐに追いつくよ」
納屋くんはイケメンスマイルで言った。
「宝神の大学院に受かった。卒業すれば僕も宝神出だよね?」
それ、
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