娘が指さすもの

「おかあさ~ん、あれなにぃ~」

もうすぐ三歳を迎える娘は、急に語彙と口数が増えた。

目に付く物を片っ端から私に質問してくる。

私はそれが嬉しい。苦労してやっと出来た可愛い娘。

なんだって、できるだけ丁寧に返答をする。


「あれは時計だよ、時間を確認するの」


「そっかーあれはなに~」

「あれはお花よ、死んじゃったミルちゃんの為に飾ってあるのよ」


「そっか~あれは?」

「あれはミルちゃんの遺骨だよ」

「いこつってなに~」

「骨のことだよ、死んじゃったら焼いて骨にするのよ」

「ミルちゃんってだれ~」

「あなたの前の最初のミルちゃんよ」

「おなじなまえなのね~どうしんて死んじゃったの~」

「ママが可愛がり過ぎたから、かしらね」

「ふ~ん」


「もういいでしょう、こっちへいらっしゃい」

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この蠟燭が消えるまで 語理夢中 @gorimucyuu

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