第4話 異変

TLで流れてきた噂話

「カユミちゃん」

私は今それにハマってる


いや

取り憑かれてると言っても過言ではないかもしれない


気になってしょうがない


気がついたら「カユミちゃん」の絵を描くほど


心のどこかではただの都市伝説とわかってる


だがもし本当だったら?

怖いのにワクワクしてる自分もいる


調べれば調べるほど気になることが出てくる


寝ても醒めても考える「カユミちゃん」のこと


それを戒めるためなのか

ただ単純にもっとお世話が疎かになっていたのか


飼っているうさぎに手を噛まれた


もっとしっかりしなければ...


こんな噂話を気にしている暇はない



ーーーーーーーーーーーーーーーーー



うさぎに噛まれたところが化膿してしまったらしい


熱を持ってきてジンジンと痛む


病院で薬を貰い塗っていても痛みは変わらない


スマホがなった


登録してないアカウントからDMが来てる


またどうせエロ垢とか金儲け垢からのだろう...

何の気なしに開いたDM


「私、カユミ

かゆいでしょう?」


DMを開いた瞬間、痒くなる傷口


ティロ〜ン

また来た


「私カユミ

今あなたの近くにいるの

私がわかる?」

今度は画像付き


忙しなく行き交う人々の中に一人だけこちらを見て動かないその姿


カユミちゃんで間違いない


強くなった痒みに私はスマホを落とし呆然とするしか無かった


次の日どうしても気になったのでフォロワーさんに画像を見せてみた


「どこにも変な人なんて写ってないよ」


私は愕然として画像を見直した


...ほんとに何も写ってない


傷口も痛みだけで痒みはなくなって来ている


私の思い込みかな?


ただあのDMは画像だけ残して消えていた


そう、だよね...


私より前に話してたピギーさんや山田くんさんはそんなことあってないみたいだし私の見間違え


そう結論付けて一切を忘れようと思って降った頭の中のカユミちゃんの姿が砂のように崩れていく


私の考えすぎ...私の考えすぎ...


何度も何度も呟き自分に言い聞かせる


それから数日してピギーさんからDMが来た


「山田くんさんと連絡が取れない」

少し焦ったようなピギーさんの態度に違和感が募る


言い難いだけど最後に連絡とった時体に原因不明の痒みに悩まされてた

そのやり取りからもう何日も経つが音沙汰がないそうだ


嫌な予感しかしない


私は他のフォロワーさん連絡をとってみることを約束してスマホを閉じる


なんだか落ち着かない

暖かいお茶でも入れて少し落ち着こう


台所に行くまでに何気なく通った居間の窓の前

カーテンが少しめくれていた


そこから見える電話BOX

そこにそれは立っている


思わず悲鳴をあげて気を失った

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