なるほど、人が語る好きには、同じ好きでも「細かい段階わけ」というものがあるものだと気付かされました。百合というジャンルが好きで、その延長線として女性にもちょっと興味がある。配信者のファンでその作られた独特の世界観が好き。そして、ユーチューバーというガワを脱ぎ去った中の人が好き。
これらの好きは似ているようでまったく異なるものです。
オタクの沼も深くて区分けがしっかりしているものだと、妙に感心してしまいました。同じ「好き」でもニュアンスが違ってくるのだな…と。
動画の配信者とファンが現実で出会った時、ドラマは動き出すものです。
幾つもの偶然が重なれば、それは運命と呼ばれる強い絆となるもの。
華やかで愛らしい百合の世界が好きな人は是非!
続きは? ……続きは!!?
と、思わず声が漏れたほど最高の作品でした。
面倒くさいオタクの藤岡美咲が、推しである『百合ボイス配信者』の百合坂ゆりこの『中の人』と偶然にもリアルで出会い、そして二人の内面を描写しつつ、距離が縮まっていく……。
憧れの人と出会い、人気者な彼・彼女に群がる自分以外のファンにヤキモキし、そして『推したい気持ちと恋する気持ちは別物』と思いつつ、どうしても意識してしまう……。まさに王道な物語でした。そして百合。最高じゃん。マジで尊かった。なんで短編で3話で終わってんの???
この題材だけで長編を一作書くことができると思いました。可能性やポテンシャルしか溢れてないです。キャラも文章力も、交互に差し込まれる心情描写も、何ひとつ問題ないですから。書いて(泣)