第5話 ある日の道端で

 ロテスはあれから部屋からに出てこなかった。食事は母が「ご飯置いておくよ」と部屋の前に置いてもらったのを食べた。食べ終わった後の食器は部屋の前に置いた。


 ただ、サラから連絡が入った時は部屋から出てきて電話で会話をして、その時、サラから出かけようかと聞かれた時は外出をしている。


 外出をしていると、街のガキ大将グループにちょっかいをかけられるが、その度々にサラが聖なる光のスキルで全員その場で倒している。


 このような生活を2週間くらい繰り返していた。


 そんなある日、日付は1月18日。


 ロテスとサラは、手を繋ぎながら歩いていると、向かってた公園の近くの道端で鼻と口から血を流し、両腕が少し変な方向へ曲がっている状態のガキ大将が倒れていた。


「ブータン!? なんかめっちゃボロボロになってない!?」


 スキルを授かる前の素手の喧嘩ですら、サラにボコボコにされている彼だが、サラが強すぎるだけで、力比べの戦いなら、並の大人もスキルなしでは勝てないくらいこのガキ大将の【ブータン・ニベッキー】は強かった。


 スキルも岩石を生み出し飛ばすことも出来る割と強いスキルなのにも関わらず、ここまでやられていることにロテスは驚く。


「このブタベンキわたくし以外の人にも負けているのね……ダッサ!! 幸い息はあるみたいだし、悪運は強いみたいね」


 サラは、このがたいの良い少年に良い感情がないので、倒れている彼に暴言を吐いている。


「だ……だれ……が、ブタ……ベンキ……だ……」


「へぇ、意識あるのね、言っておくけど、お前の為に人を呼んでくるつもりは、わたくしには無いわ! ただ……」


「ブータン! 凄い怪我だね! ちょっと大人の人呼んで来るね!」


 今まで、自分をいじめていた集団のリーダーを助ける為、ロテスは、公園に入っていった。


「おれ……を、たすけ……ようってか、それじゃ、その礼として、1つ良いことを教えてやるぜ……」


「サラ、今すぐあいつの後を追って公園に行け、リュンが危ねえ」


 その発言の直後、ドガーーーン!!と凄い音が、リュンが入って行った公園から聞こえてきた。

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