第88話 全国ギルド会議
ジン達との手助けも有り、レンブラント内にいた魔族は一応殲滅し終える事ができた。
王様の指示でレンブラントだけではなく世界中の冒険者ギルドのマスターを一堂に会して対魔族対策会議が開かれることになった。
一方ジン達はセモアに戻って久しぶりにのんびりして魚料理を食べながらお昼を楽しんでいた。
レンブラント王国王都ダルゼには各国のギルドマスターとキースのハリス侯爵それ
とデイマール王国アリシアギルドマスターやプロレジア帝国の帝都のギルマスも一堂に会して魔族に対しての会議はそれぞれの思惑も含め会議は混沌としていた。
レンブラント王国王都のギルドマスターフェイトが司会をしていたが、各国は自国の領土内に魔族など居る訳が無いと主張するギルドマスターが殆どで、紛糾し、ハリス侯爵がここで、意見を述べる。
「もし、自国に魔族が潜んで活動していた場合は如何致すのかな?我が国には各国に潜んで居る魔族が何処に何人潜んで居るかサーチできる強力な人間が居る。その人間に依頼して各国の魔族の居場所を特定することもできる。まずは彼に依頼して各国に魔族が潜んで居るのかだけでも確認しようではないか」
結局ハリス侯爵の意見でセモアでのんびりしていたジン達ファミリーは再び王都ダルゼに呼び戻されてギルド全国会議に出席することになった。
「ジン殿、各国のギルドマスターが魔族など自国には潜んで居ないと言うので取り敢えず念のため各国に居るかもしれぬ魔族の潜んで居る場所と人数を割り出してみてはくれぬか?」
「わかりました、少しお時間を頂いて1時間後に発表いたしましょう」
ギルド会議は1時間程休憩に入った。
その間ジンは<タブレット>の【GOD】に『ベルギア公国に潜む魔族の場所と人数』と打ち込みenterをポチる。
『バリルの街に二人、ロデスに二人潜んで居ます』
続いてデイマール王国も同じように打ち込んでいく。
結果ベルギア公国に4人、デイマール王国には8人、グラバド王国には5人、シルコレア帝国には8人、プロレジア帝国には10人もの魔族が潜んで居ることが判明した。
1時間の休憩を挟んで再び会議が開かれ、ハリス侯爵からジンが調べた結果が報告された。
「各国、各都市のギルドマスターの方々、今から自国の都市に魔族が居るので早急に対処してほしい。まずはベルギア公国はバリルに2名、ロデスに2名、デイマール王国はトロピアに2名、シューベルに4名、ルルカに2名、グラバド王国はカルバラに2名、ベルセタに3名、シルコレア帝国はセビーラに2名、スカイヨークに3名、ユースダレーに2名、パラメーラに1名、プロレジア帝国にはアゼルに3名、カルセイに3名、ローレルに2名、ローズタウンに2名以上が各国に潜んで居る魔族達だ」
「これを調べた御仁はどの程度信用できるのか?」とシルコレア帝国のクラットのギルマスから意見が上がった。
「これを調べてくれた冒険者は我が国の至宝ジン殿だ!各国の統括であるギルドマスターならその力は知っておろう、Sランクを遥かに凌駕しSSSクラスをも超える能力の御仁だ。彼を信じられないなら放置して国が滅びる事も良しとするならそれはそれで我が国は手をさし述べることはしない。特にプロレジア帝国は対岸の魔族の国があるので人国、獣人国の転移装置設営の最前線担って居るらしいので特に今のうちに処置した方がいいとの話だ」
各国ともハリス侯爵が述べたジンと云う冒険者は各国のギルドマスター達とは懇意でその実力はよく知られて居るため、流石に信用せざる得ない。
「デイマール王国のアリシアだ、ジン殿がこの魔族の潜んで居る場所を洗い出してくれたなら間違いは無い。彼の実力は私やハリス侯爵殿のSランクを遥かに凌駕する実力者だ、そうそう各国に持ち帰り高ランクの冒険者で魔族達を討伐しないとならないと思う」とアリシアがいい、各国のギルマスも魔族のの侵入が現実なのだとやっと認識したようだ。
ダルゼでのギルドマスター会議を終えて、各国のギルマス達はそれぞれの国に戻り、ジンから得た情報を元に各土地に潜入して居る魔族達を討伐する編成隊を組織するのであった。
一方セモアでのんびり過ごして居たジン達もこれほど各国に魔族が侵入しているとは考えていなく、しばらく状況を見るまで王都ダルゼのハリス邸に滞在することになった。
ギルド全体会議が開かれた三日後まずはベルギア公国から連絡が入り、冒険者の高ランクの者達が全滅させられたとの報告が各国のギルドに寄せられた。
「ジン殿、ベルギア公国では冒険者が然程高ランクのものが居ないため騎士団も向かったらしいが50人程の討伐隊が返り討ちにあい、殲滅させられたようだ」
そんな時『遠距離通話器』を渡していたトロンのギルマス、グラシアからジンに緊急連絡が入った。
「ジン君、貴方の調べてくれた通り、バリルとロデスに2名づつ潜んで居る魔族をギルで高ランクと言ってもBランク達とAランクの騎士団を向かわせたけど簡単に返り討ちにあい今バリルの街は魔族二人に破壊され尽くされて居るの、公都ニースアのギルマスのケビンが向かったけど彼も重症を追ってしまい、今から私たちトロンの冒険者がバリルに向かうのだけど、なんとか助けていただきたいの」
「わかった、グラシアは俺たちが向かうまでトロンのギルドで待機して居てくれ、【転移】で直ぐに向かうから」
「侯爵様、どうやらベルギア公国の方は返り討ちにあい殲滅されたようですので助けに行ってきます。ニースアのギルマスも重症を負った様なので、フェリシアさんも一緒に行っていただけますか?」
「もちろんですわ、直ぐ準備します」
ジンは『空飛ぶ車』にヒューイ、ドール、イリーナ、イザベラ、イリア、フェリシアを乗せて取り敢えずトロンのギルドの裏に【転移】した。
「グラシアさんをお願いします」と受付嬢に云うと、話が通って居たのか直ぐにグラシアが降りてきた。
「ジン殿すまない、こちらからも冒険者を乗せて行ってもらえないか?」
「いや、この国の冒険者のランクでは申し訳ないが対応は無理だ!俺たちで何とかするからグラシアだけ載せて行く」
「そうか!申し訳ないが直ぐにバリルの街に向かってください」
ジンはグラシアを載せてバリルの街に【転移】した。
バリルの街は半分ほど半壊状態で、教会の敷地に負傷した冒険者とニースアのギルドマスターであるケビンが瀕死の状態で横たわって居た。
「フェリシアさん、先ずは重症のケビン殿を頼む。そのあと冒険者達の回復を頼む」
「ヒューイ、ドール、イリーナさん達は俺と魔族2名を打ちに行くぞ」
「私も同行する」とグラシアが一緒に向かった。
魔族は潜んで居た家から出て、残って居る冒険者を相手に遊んでいる様だ。
ジンは魔族の一人に光線を放ち、頭と心臓を打ち抜き黒い霧に変えて殺した。
「な何が起こった?」ともう一人の魔族が後ろから来た応援のジン達を見た。
「貴様ら、儂の舎弟をよくも殺したな、許さんぞ〜」と言って、巨大な【ファイアボール】を打ち放って来た。
ヒューイが『神龍剣』を一閃すると放たれたファイアボールは一瞬で消し去られた。
イザベラが【アイスランス】と唱え魔族に3本の氷の槍を射ち放ち魔族の頭と胴体にことごとく突き刺さり、黒い霧となって魔族2匹は灰となって消えた。
教会に戻り負傷者を見るとフェリシアだけでは回復が効かない人たちもおり、ケビンは特に肩から腕を消し炭にされて居た。
ジンが【EXハイヒール】と唱えると、肩から無くなって居た腕が光り輝いて再生されていった。
トロンのギルマスのグラシアは奇跡の術を目の前にして震えて居る。
「グラシアさん、ジンのする事にいちいち驚いて居たら心臓がいくつあっても足りないわ」と笑いながらイリーナがいう。
「この状態ならロデスの街も行かなくては駄目だな」とジンは呟き「グラシア、ロデスまで【転移】するから一緒に乗ってくれ」
「わかったわ、逆にお願いしようと思って居たぐらいだから頼みます」
「それじゃ、イリーナさん達準備はいいね!【転移】」と言ってロデスの冒険者ギルド裏に転移した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます