第51話 潮騒のダンジョンの踏破

ジン達は王都ダルゼのお店を引き払い『空飛ぶ車』で旅をしながら魔法技術を磨く旅に”ジンと5人の魔女達”と1匹(フジ)は気ままな旅に出てブルーノのダンジョンを踏破した翌日、海の幸を求めて西海岸の街セモアに向かった。


ブルーノの野原で野営したジン達は『空飛ぶ車』の中で朝食のウィンナーソーセージ10本と、アスパラベーコン巻き10本にコンソメスープと目玉焼き、クロワッサンで腹ごしらえをした後、一路セモアに向かった。


ブルーノからセモアまではのんびり行っても3時間弱でつく。


街道をのんびり『空飛ぶ車』で走っていると、サーチモニターに何やら野盗の連中が馬に乗って追いかけてくる。


ヒューイが車から出て、『神龍剣』で20人の片足を綺麗に膝から下を切り落として、止血し、馬20頭と野盗20人をジンが出した【闇檻(ダークジェイル)】に皆を押し込んでセモア迄連行して行くことにした。


車にダークジェイルを連結して1時間半でセモアの入り口の門についた。


衛兵にカードを見せて、20人の野盗を渡し書類を冒険者ギルドに出すように言われた。


冒険者ギルドの素材置き場に行き、グリーンウルフ20匹とハーピー12羽と夜に

倒したグリーンウルフ17匹、本当は20匹だがフジが3匹も夕食に食べてしまったので結局グリーンウルフ37匹とハーピー12羽を出した。


納品書を貰い、入り口で衛兵がくれた20人の野盗討伐の書類と一緒に出した。


「ジン様魔物討伐の金額が銀貨795枚なので、金貨7枚、銀貨95枚にしてジン様のカードにお入れしました。それと野盗20人を逮捕したので金貨100枚もカードに入れました、ご確認ください」


「どうもありがとう!」とジン。


ジン達は馬を20頭、街外れの馬車を扱うところに連れて行き1頭当たり銀貨50枚で売り、金貨10枚を手に入れた」


お昼はセモアの海の幸を食べようと、5人で定食屋に入る。


ジンは焼き魚とご飯にスープ、女性陣は白身の魚のバター焼きにご飯と野菜サラダで食べた。


その後、車に戻り紅茶とケーキで更に腹を満たして、皆で海産物を買い出しに市場に向かう。


磯の香りがジンの鼻をつく。懐かしい感じだ。


秋刀魚に似た魚10匹、カレイに似た魚10匹、イカとタコを刺身用に買い、ハマグリに似た大きな貝を20個、エビを20匹と買って銀貨2枚を出した。


車に戻って来て全て車の中の【次元ストレージ】に入れて置く。


今晩は刺身か海鮮鍋だとジンは早々、夕飯の献立を考えていた。


再び車から出て、冒険者ギルドに入って、クエストを眺めてみる。


ギルド自体がそれ程大きくないのであまりいいのは残っていない。


ジンは「このギルド管轄のダンジョンがありますか?」と聞くと、街をすぐ出た海岸線が途切れる場所の岩場の所に”潮騒のダンジョン”が有ると教えてくれた。


ジン達は6人で海岸に沿って歩いて行き、ダンジョンの入り口の兵士にカードを見せて中に入った。


ぷ〜んと磯の香りと、洞窟の苔の匂いが鼻をつく。


ドールが【ライティング】で1階層に降りて行く。


オークの群れが13匹、オークキングもいる。


「ドール、1階層からオークキングが出てくるあたり、このダンジョンは手強いかもしれないから注意して行けよ」


「はい、ご主人様」と言って、『雷剣』をすでに鞘から抜いて、構えている。


イザベラが【エアカッター】を3連発して、6匹の首を一度に切り落とした。


イリアが【ファイアアロー】で3匹を葬り、4匹はヒューイが『神龍剣』で首を切り落として回収、残るオークキングはイリーナが【アイスアロー】を3本放ち、顔、胸、腹を見事に突き破り葬った。


2階層は海のステージで、『空飛ぶ車』に乗り込み1メートル半、海上を飛んで行くとサーチモニターにケートスが1匹、海龍(バハムート)が1匹掛かった。


ドールが海に飛び込みすごいスピードであっという間にケートスに近づき、こめかみにレーザービームを放ち次元ストレージに回収し、バハムートはイリーナが【アイススピア】の大型を放った。


見事バハムートの額を打ち抜き即死させることに成功し、回収した。


3階層はフォレストウルフの群れ20匹とウォーターベアーが1頭いる。


イザベラとイリアがフォレストウルフを【アイスロック】を掛けてから【エアカッター】で葬り、ウォーターベアーは大きな腕を振り上げて襲ってくるが、ドールが軽く躱して首を切り落として回収した。


4階層にはアースドラゴン・地竜がいる。


ジンが『煌剣』を一閃して真二つに切り分けてしまった。まさに神業に近い。


イザベラもイリーナもジンの剣さばきを目の前で見るのは初めてでそのすごさに感心している。


5階層は平原ステージでワイバーンが1匹、アースモールが5匹いる。


イザベラがワイバーンの翼を【アースアロー】で飛べなくして、【エアカッター】で首を切り落とした。


アースモールはイリアが【土魔法】で掘り起こして、そこをジンがレーザービームを放って、5匹をあっという間に葬り、回収した。


宝箱がひっそりと置かれていた。

中を開けると『リフレクションリング』が入っていて、あとで【複製】して3人に行き渡ればいいと思い、とりあえずイリア叔母さんにつけて貰った。


6階層は又も海だが、目の前にシー・サーペントが1匹、クラーケンが1匹そして

シー・ドラゴンが1匹いる。


潜って討伐するには大物がいて逆に襲われる危険があるので、ジンは先に3匹の中で一番大物のシードラゴンの上空に【飛翔(フライング)】でいき、シードラゴンめがけて、『魔拳銃』のレールガンを放った。


水の抵抗もなんのその、超極音速で飛び出した弾丸はドラゴンの頭を砕いて海底深くまで行って消えた。


シードラゴンの血止めをしてから【スティール】で回収して、あとはドールが潜りシー・サーペントを『雷剣』で切り倒し、クラーケンはイリーナが【ウォターアロー】で葬った。


7階層はアンデット系のバンパイアそれとスケルトンが20〜30体押し寄せてきた。


すぐにイザベラが『マジックスピア』に聖魔法の【浄化】を纏わせて放った。


一気に金色の光が拡散して行き、バンパイアやスケルトも浄化して霧散してしまった。


しかし、スケルトンキングが剣と盾を持って薄ら笑いをしている。


ジンが素早く【鑑定】すると、”再生能力が高く魔石2個を破壊しないと消滅しない。

魔石位置は左胸心臓の位置と顳顬の所2箇所である”と出ている。


「ドール、魔石は通常の心臓部と顳顬の部分だ!」


ドールが素早く間合いを詰めて魔石の部分を突き破ろうとするが、盾で防がれる。


ドールは額の部分をレーザービームで打ち抜き、残るは心臓部分の魔石だ。


「ドール、俺がやる」とジンが『煌剣』を低く構えて抜刀の構えをとって高速の抜刀をすると、盾も綺麗に切られて、魔石が半分に切られて落ちた。


その瞬間、スケルトンキングは霧となって霧散した。


8階層は岩場にミノタウロスがハルバードを構えている。


イザベラが【エアカッター】を足と手を狙って放ち、イリアが【ファイアアロー】を胸と顔を狙って二人掛かりで魔法を放つ。


ハルバードで胸にきた【ファイアアロー】は防いだが、【エアカッター】と【ファイアアロー】の1発は直撃を受けて倒れ込んだ。


つかさずドールが間合いを詰めて首を切り取り血止めして回収した。


9階層にはメデューサがいる。


「みんな、目を見ると石になるから見ないように!首が360度回るから気をつけろよ」


ジンは『幻影』をメデューサの魔眼の目目掛けて投げ放った!


『幻影』はジンの意思をしっかりと組み取って的確に魔眼に向かっていき炎を放って目をえぐり取り無効化にした。


イザベラが【エアカッター】で首を切り落とすが髪の蛇はまだ動いている。

メデューサの魔石を破壊してやっと髪の蛇も動かなくなった。


10階層ラスボスの部屋のようだ。


ドールが開けると黒龍が火炎咆哮を吐いて威嚇してくる。


イザベラが【エアカッター】を放つも全く効かない。


イリアの【アイスアロー】も弾かれてしまう。


イリーナの【ファイアスプラッシュ】も簡単に弾かれてしまった。


ジンが『煌剣』を斜め上から袈裟に斬り下ろすとズドンと首が落ちてしまった。

傷口を焼いて血止めをして【次元ストレージ】に回収した。


大きなダンジョンコアと宝箱がある。  一応罠をサーチして静かに開けた。


”『魔石製造機』・魔力の流す強さによって魔石のレベルが変わる”と【鑑定】に現れた。


【次元ストレージ】に回収して最下層に有る”転移盤”に皆で乗り込み、1階層に戻った。


セモアの冒険者ギルドの素材置き場に討伐した魔物を全て納品して、5人で食堂でサンドイッチを食べながら待つこと30分、納品書が出来上がり、受付にダンジョンコアと地図、それと納品書と全員のカードを出して受付の処理を待った。


「ジン様、ダンジョン制覇おめでとうございます。清算金は白金55枚、金貨65枚、銀貨87枚、銅貨85枚となります。本来はギルドマスターがご挨拶する所ですがあいにく不在でして申し訳ありません」


「構わないよ、どうもありがとう」とジンは清算金をカードに入れて貰って、皆んなで『空飛ぶ車』に乗って次の目的地、ベルギア公国に向かってそのまま南下した。


ベルギア公国の西海岸は全く来ていないのでゆっくり海岸線の景色を見ながら国境を無事手続きを終えて公国に入った。


最初に向かったのは海岸の街バリルという小さな街だ。


セモアで”潮騒のダンジョン”を踏破して外はすでに日は落ちて、バリルの手前で『空飛ぶ船』を海岸の側に止めて夕食にした。


夕食は、海鮮鍋にして、野菜類と貝やエビ、タコを入れポン酢をつけて食べる。

『美食の皿』からウドンも出して、ご飯が苦手な人はウドンとパンでもどちらでもいいようにした。


魚はタラに似た白身の魚で、出汁が貝類でとても美味しい。3人の女性にも好評でタコやエビ、蛤に似た大きな貝がどんどんなくなって行く。


ウドンとネギや椎茸もいれてジンはご飯は1杯で止めてウドンメインで行こうとたべている。


久しぶりのウドンも美味しい!


魚も貝もエビもタコもあっという間になくなって来た。


バリルの街に明日入ったら朝市でまた魚介類を買って【次元ストレージ】に入れなければと思うジンだった。


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