第13話 シミュレーションゲーム最後の仕上げ!

シミュレーションゲームで腕を磨く信景と四郎信頼!

モブ神は仕上げとして二つのシナリオを用意しました。

一つは1560年、有名な桶狭間の戦いのシナリオです。


難易度は極級!

これに対して、信景は自分の領土であった越前を選びました。

もちろん四郎信頼は甲斐です。


始まる前にモブ神は一つの提案をします。

「この舞台はこの訓練の仕上げです。なのであなた方が異世界の女神から受けたスキルを使って全力で戦ってください!」


信景と四郎信頼は承知します。

さあ、ゲームが始まります。


信景は美濃と若狭から京を一気に目指します。

都の近くは豊かな土地が多く、国力はどんどん上昇していきます。

さらに朝廷や幕府との関係も強まり、外交力も増大、多くの大名が味方となり、相性の悪い敵の大名も迂闊に手を出せなくなります。


史実とは異なる信景のこの電光石火の早業は明らかにスキルである魔王の決断と魔王の行動の力、そして信景が持つ内政、外交力が全てうまく嚙み合った結果でした。


一方の四郎信頼は東と南にある国々と結んだ三国同盟を維持しつつ、西と南西に侵攻しました。

ここまではスキル虎の兵法が効いています。


さらに北にある軍神と同盟を結びました。

これは史実では実現できなかったことですが、信景の尽力と、同じく彼の外交力を四郎信頼も学び自分の物としたために可能となりました。


この事で史実では圧倒的な力を見せたうつけ大名と彼の舎弟のような存在で後に天下を取るタヌキは勢力を広げることが出来ませんでした。


こうしてうつけは尾張で、タヌキは三河でかなりの粘りを見せますが、結局信景、四郎信頼のタッグが勝利することになりました。


ここで、モブ神が彼らに言葉をかけます。

「二人ともおめでとう、次がこの訓練最後の難関です!今まで以上に頑張ってくださいね」


すでに幾多の戦いに勝利し十分経験を積み、しかも今回はスキルまで使った彼らは負ける気がしませんでした。


そしてゲームが始まります。

設定は1570年、信景も四郎信頼もよく覚えている年です。

その意味は、勉強して覚えた年ではなく、文字通り経験した年であり生々しい記憶のある年です。


さて、このシナリオではうつけは広大な領土を持ち、タヌキもまた地盤をしっかり固めています。

それに対して、信景は領土がずいぶんと削られており人材も少なく、しかも忠誠度が低いためにいつだれが裏切るか分からない不安がありました。


四郎信頼のほうはさらに深刻で、お金がなく臣下も老齢ぞろい、民草も重税であえいでいました。

つまり、出来ることが限られていたのです。


まず信景は得意の内政を駆使して、資金を集めそれを朝廷に送り不戦条約をうつけと結ぶようにしました。

その隙に軍備を整えて、まさに無駄のない統治を行いました。


また、自分も苦しいですが四郎信頼の領地はもっと苦しいのを察して出せる限りの資金や兵糧を彼に融通しました。

それを受け取った四郎信頼の国は何とか立て直し、それ相応の軍備を整えました。


2人はこのゲームは数十、数百回繰り返していて熟練のレベルまで達していました。、

この場面でも、互いは軍勢を駆使して、うつけの国の拡大を遅らせ、タヌキの侵略を凌いでいました。


2人は確かに手ごたえを感じていましたが、どうも思うようにいきません。

うつけの拡大を遅らせても、彼らの領土内の経済成長が早く時間が経てば経つほど不利になっていきます。


タヌキの方は人材がどんどん増えて、合戦を仕掛けても彼らの勝つ機会がどんどん少なくなっていきました。


こうして終わり間際の1575年には信景も四郎信頼も国を維持できずゲームオーバーになりました。

偶然なのか、史実でも彼らはほぼ同じ時期に滅びていますがこのゲームでも同じ年に負けてしまいました。


信景と四郎信頼はがっかりしましたが、まだ1回目ということで再チャレンジをモブ神に頼みました。

モブ神は彼らの頼みを聞き入れ、さらにチャンスを与えます。

彼らはこのゲームをクリアー出来るのでしょうか。


それは次回明らかになります。



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