仲良しとのお出かけは、とても楽しい

!~よたみてい書

一緒に遊ぼう

 椅子に腰かけていた黒い髪の少女は、眼前の映像画面に映し出された赤い髪をした猫人間《キャヒュマンット》の女性に話しかけた。


「ぐぇっ、んっ、あっ、とぇっ、つぇっ、はっ、ふっ! ……ンベル、今って時間空いてる?」」


 黒髪少女は十代前半の姿をしていて、身長は百六十センチメートルほど。

 前髪は額で切りそろえ、後ろ髪は短く整えられていた。

 黒い瞳を目の中に宿し、目尻が少し垂れさがっている。

 黄色いカジュアルな衣装を身にまとっていて、まじめな雰囲気を漂わせていた。


 ンベルと呼ばれた赤い髪をした女性は引きつった顔を作り、小さくうなずく。


『ミャッ!? ……時間なら大丈夫だよー。……それより、今のなに?』


 赤髪女性も十代前半の容姿をしていて、百五十五センチメートルくらいの身長。

 前髪は目の上まで垂らし、後ろ髪を背中上部まで伸ばしている。

 目は薄黄色をし、目尻はやや吊り上がっていて、中心に縦に細めの線が入っていた。

 また、頭部と両側頭部の間から三角形の猫耳が一対生えている。

 黒いラフな衣装を身に着けていて、シャツの正面には猫の顔が描かれていた。

 そして、腰の下あたりから四十センチメートルほどの尻尾が伸びている。


 黒髪女性は頭の上で手を組みながら伸びをした。


「発声練習だよ」


『それ、今する必要あった? それでホノカ、どうしたの?』


 ホノカは顔をこわばらせながら頬をく。


「いや、あのさ……よかったら、明日一緒に遊びに行かない?」 


『え、明日ー?』


「うん。なんか急にンベルと遊びたくなっちゃった」


『急にって……まぁ、でもそういうこともあるよね』


「理由が無ければ遊んじゃいけないってのもおかしい! ……で、どうかな、一緒に遊ぼうよ」


『うーん……一緒に遊ぶ相手がボクでいいの?』


「えっ、どういう意味?」


『えっ、だってさ……きっと辛い思いするとおもう』


「大丈夫大丈夫! わたしも覚悟してるから!」


『うぅ、なんだか申し訳ない。でも、ありがとう。嬉しいな』


「気にしないで! それで、どう? 一緒に遊べる?」


『うん。こんなボクでよかったら遊ぼう』


「よーし、そうと決まったら待ち合わせはどうしようか?」


『んー……モミオカ公園に集まる?』


「あー、了解! じゃあ、朝集合ね!」


『ミャッ!? 朝って、なんじかな!?』


「あっ、えっと……十時にしよっか」


 ンベルは眉尻を上げながら小さく笑い、両腕を胸の前で十字に交差させる。


『十時ね! 了解!』


「それじゃ、また明日ねー。おやすみー」


『おやすみー!』


 ホノカは目の前の映像を指で突いた。

 すると、映像からンベルの姿が消え、代わりに天気予報や現在の時刻、様々なアプリケーションアイコンが表示された。

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