第14話 ガード下1

 中野沙衣なかのさいが住む東海市には南北に鉄道がとおっており、南側を五條美湖ごじょうみこの住む浪江なみえ市に通じている。

 東海市には朝宮あさみや駅があり、1つ南の駅が浪江市の浜田はまだ駅である。

 ちょうど東海市の南端に鉄道の下を道路が通るガードになっている。

 このガード下を通るタクシーが、ここで女を乗せると途中で消えてしまうことが続いて起こる。

 タクシー運転手の間でガード下の幽霊として噂が広がり始める。

 その噂をテレビ局のディレクターが情報として取り上げ、オカルト番組に取り上げることにする。

 ディレクターはネットにあるプールで化け物退治をする女子高生を取り上げたいのだが、まだ女子高生を特定できていない。

 テレビ局は、霊能者として鬼頭亜香子きとうあかこを雇う。

 ディレクターはタクシーの運転手に取材した後、亜香子に問題のガード下を霊視してもらう。

 亜香子には、霊の姿は見えす、気配もない。

 亜香子は弟子の一条いちじょうみおに聞く

   「何かいるか。」

   「いいえ、見えません。」

みおは答える。

 亜香子はとりあえずお経を唱えてその場を取り繕う。

 そして番組の収録は無事に終わる。

 ディレクターは亜香子に情報収集のため、ネットに流れている化け物退治の映像を見せる。

 亜香子は映像を見て

   「あの子ら派手にやっているなー」

と感心する。

 ディレクターは亜香子が女子高生を知っているのに驚き、期待を込めて言う

   「この子たちを紹介してください。」

   「これ次第だね。」

亜香子は悪い顔をする。

 みおが

   「本人の承諾なしに教えてはだめです

    よ。」

と注意するが亜香子はディレクターと情報料の交渉に集中して聞いていない。

 ディレクターは目的の女子高生の情報を亜香子から買い取る。

 彼は相手が五條家の娘と知って、先に沙衣と美湖に接することにする。

 彼は下校中の沙衣に声をかける

   「こうゆう者だけど、話しできないか

    な。」

名刺を出されると沙衣は無言で防犯ブザーを鳴らす。

 彼は悪いことをしたわけではないが、取り合えず逃げ出す。

 次の日、ディレクターは下校途中の美湖に声をかける

   「怪しいものではないんだ、こうゆう

    者だけど、話をさせてください。」

彼は名刺を出しながらで防犯ブザーを鳴らされないか警戒する

   「こういうことは母を通してくださ

    い。」

美湖は一言いうと足早に去っていく。

 ディレクターは五條家を訪れる。

 彼は美月みつきに面会を求める。

 彼は美月に話す

   「美湖さんと沙衣さんをオカルト番組

    に出演させたいのです、お願いしま

    す。」

   「当家は呪い屋ですのでテレビには出

    ません。」

   「そこをお願いします。」

   「できません。」

   「出演料ははずみます。」

   「お金の問題ではありません。」

美月ははっきり断るが、話を立ち聞きしていた美湖が出演料に目がくらみ

   「顔出し無しならどお。」

と割って入る

   「黙っていなさい。」

美月が怒る。

 ディレクターは

   「顔出し無しでも構いません。」

と食い下がる。

 美月は少し考え、条件と金額を描いてディテクターに差し出す

   「これなら考えますよ。」

ディレクターは示された金額に顔が引きつる。

 彼は携帯を取り出すと

   「ちょっと待ってください。」

と携帯で話し出す。

 彼はしばらく話すと答えを出す

   「この条件と出演料でお願いしま

    す。」

   「分かりました。」

美月は笑顔で答える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る