第9話 階段2

 翌朝、沙衣さい美湖みこ谷山たにやまに生徒指導室に呼び出される

   「階段を調査してもらうのだが大丈夫

    か。」

   「はい、私たちは霊を見ることができ

    ます。」

   「そうか。」

   「どのようにするんだ。」

   「まず、呪いがかけられていないか調

    べて呪いでないか調べます。」

   「呪いでなかったらどうするんだ。」

   「張り込んで霊の出現を待ちます。」

   「張り込むのか。」

   「はい、授業には出ますので、休み時

    間と放課後を利用します。」

   「分かった、どのくらい張り込む予定

    だ。」

   「どのくらいがよろしいですか。」

   「1週間にしよう。」

   「分かりました。」

2人は仕事にかかることにする。

 始業前に例の階段へ行き、美湖が紙に書いた陣を広げる。

 沙衣は美湖に言う

   「これこの前使ったやつでしょ。」

   「破れるまで何度でも使えるわ、エコ

    でしょ。」

   「そうですか。」

沙衣はあきれる。

 美湖が陣に気を流す、そして呪いのありかを探る。

 しかし呪いは見つからない。

 美湖は沙衣に言う

   「呪いはないわよ。」

   「霊もいないわ。」

2人は持久戦に持ち込む。

 2人が階段に詰めていることはその日のうちに全校に知れる。

 初日は霊は現れない。

 2日目、始業前、男子生徒が現れる

 男子生徒は顔が赤くして言う

   「中野なかのさん、好きです付き合ってくだ

    さい。」

   「ごめんなさい。」

沙衣は即答する。

 美湖が言う

   「お試しで付き合ってあげたら。」

   「必要ないわ。」

沙衣は興味なさそうに言う。

 昼休み、2人は階段で弁当を食べる。

 そして、男子生徒が訪れる。

 男子生徒は顔を赤くして言う

   「五条ごじょうさん、好きです付き合ってくだ

    さい。」

   「ごめんなさい。」

美湖は即答する。

 沙衣が言う

   「お試ししてみたら。」

   「必要ないわ。」

美湖は興味なさそうに言う。

 放課後、階段の下には、告白に勇気を振り絞ろうとする男子生徒の集まりができる。

 沙衣は美湖に言う

   「早く、霊出てこないかしら。」

   「そうね、余計なものが寄ってきてた

    まらないわ。」

2人は男子生徒の心を打ち砕きながら霊を待つ。

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