第2話 足手まとい



「思えば、さ」


「お前はいつも後ろを気にしてばかりだったよな」


「そんな優しいお前の足手まといには……なりたくないんだ」


 先に行っててくれよ

 すぐ追いつくから


 なんて そんな自信ないのに

 よく言ったもんだ

 恰好つけちゃったな

 恰好つけすぎちゃったかな


 だって 足手まといにはなりたくないから

 そうだよ 重荷にもなりたくないから


 俺という存在で

 お前を縛ってしまわないかいつも心配で


 可能ならすぐにでも

 その居心地のいい場所から離れたかったさ


 でも優しいお前はいつも

 必要だからと言ってくれるんだ


 それが事実を正確に

 ありのままには 表現してなくても

 ついつい 嬉しくなっちゃってさ


 のこのこついて ここまで来た

 でも もう それも 今で終わりだ


「足手まといにはなりたくないから」


「俺を置いてお前は先に行ってくれよ」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る