第39話 これがスキンシップ
(私は革命軍の戦士……権力に溺れた無能な貴族や王たちに鉄槌を下す……来るべき日に備えて力を蓄え、同時に同世代における未来の権力者を把握し、並びに優秀な才能を見極めて、仲間に引き入れる……私たちの尊き理想のため、シィーリアス・ソリッドくん……君は必ず仲間にしてみせるわ)
辿り着いたのはフォルトの屋敷。
ジャンヌはフォルトの生活に関する情報は、将来的に色々なことに利用できるだろうと、いずれその場所や家の中の構造などを調べようと思っていたのだが、まさかこんなにアッサリとフォルトの屋敷に入れるとは思わなかった、
(屋敷の中にはある程度の結界は張っているようだけど、護衛はいない……なるほど……)
屋敷の門を潜り、広い中庭を通ってから辿り着くフォルトの屋敷。この国に留学中の拠点。
それでも、平民の自分たちには贅沢極まるほどのもの。
「ふむ……なんだかんだで二日続けて来てしまったな、フォルトの家に。迷惑ではないだろうか?」
「おーっほっほほ、愚問ですわ~シィーさん。むしろ、もういっそのことシィーさんもここに住んでよろしいですわ。部屋も余っていますもの~」
目に入る屋敷内の情報を頭の中に刻み込みながら、ジャンヌは目の前でくっついて歩いているフォルトとシィーリアスの様子を見ながら、少し呆れた……
(やれやれ、仮にも一国の姫だというのに、随分と彼にお熱ね……人材としてか、それとも男としてなのか……まぁ、それは分からないけど、ここまでベタベタされると、奪い取るのも少し骨が折れるかもしれないわね……)
本来の目的は、フォルトとクルセイナが既に実施したというシィーリアスとの男女の友情のスキンシップを自分も行うため。
とはいえ、それはそれほど大したものではないだろうとジャンヌは考えており、むしろ問題なのはここまで露骨にシィーリアスにベタベタするフォルトと、意外と積極的なクルセイナのこと。
スキンシップをして形だけはイーブンにして、それからどうするか……
「はい、シィーさ~ん♥ 今日のパンティーチェックですわ~♥ ワタクシのパンティーは黒バラのレースですわ~♥」
「わ、私のパパパパ、パンティーは……ミント色だ……もっとじっくり見てくれ……」
「うむ。フォルトはとてもいやらしくセクシーだ。クルセイナは青系が好きなのだろうか? しかし細かな刺繍などは違って見事。二人とも、素敵なパンティーだ、ありがとう」
そんなジャンヌが目の当たりにしたのは、フォルトの部屋にて、ベッドに腰を下ろしたシィーリアスの目の前で、制服のスカートの裾を上げて、穿いている下着を自ら見せるフォルトとクルセイナと、見せられた下着を観察した上で世辞と共に感謝を口にするシィーリアス……
「では、シィーさ~ん、スキンシップタイムですわ~」
「うむ、来てくれて構わんぞ!」
「あ~ん♥」
パンティーチェックが終わり、フォルトがスキンシップタイムだと、シィーリアスに正面から抱き着いて、その両膝の上に対面するように座った。
「すりすりもふもふ~ハグ~ですわ~♥」
「うむ、ハグだ!」
「ちゅっちゅ♥」
「うむ、ちゅっ、ちゅ」
抱き合う二人。
それだけで満足するわけではなく、フォルトはシィーリアスの頬にキスをしたりスリスリしたりする。
そんなフォルトの頬にシィーリアスも返礼のキスをする。
「シィー殿……靴下を……わ、私が脱がしてよいだろうか?」
「ああ、もちろんだとも。僕の足を好きにしてくれて構わないぞ。友達なのだから」
「んもぉ♥ ふふふ、では……あぁ……この足が……フェンリルすらを子犬にさせた……♥」
ベッドの脇で片膝ついて、クルセイナはシィーリアスの靴下を脱がし、そして足の匂いを嗅いだり、甲にキスをしたり頬ずりしたりする。
まるで猫がマタタビを与えられかのようにトロ顔で発情したクルセイナは既に虜であった。
「( ゚д゚)」
そして、部屋の中には招かれたものの、そこから先は一気におっぱじめた三人を見ながら、ただ部屋の隅で呆然と立ち尽くすジャンヌ。
目の前の光景が自分理解を遥かに超えていた。
(ど、どういうこと? わ、私は何を見せられているというの?)
冷静に今一度改めて目の前の状況を……
「あ~ん、くすぐったいですわ~(*´з`)♥」
「む、しかし君がしてくる限り、僕も返礼のキスを止めるわけにはいかないのだ(^ε^)-Chu♥」
ベッドの上でイチャイチャ抱き合いながら互いにキスをしている二人。
(ど、どうして? い、いえ、フォルトが彼にお熱なのは分かっていたけど、も、もう、こんなところまで?! ベッドの上で抱き合ってキスとか……もう、ほとんどセック●じゃない!? 大国の姫が、こ、こんな!?)
誰が見ていようとお構いなし。イチャイチャベタベタするフォルトに……
「♥♥♥♥♥♥」
(そして、クルセイナは何をやっているの!? え、うそ、足にキスだけじゃなく……ちょ、く、口を開けて……まさか!?)
口に出せないほどヤバイことを始めたクルセイナ。
もはや、黙っているわけにはいかなかった。
「ちょ、な、何を……何をしているの、あなたたちは?!」
ついに我慢の限界に達し、叫ぶジャンヌ。
「……ジャンヌ?」
「♥♥♥♥♥」
だが、その叫びに首を傾げるシィーリアスと、そもそも一心不乱でシィーリアスの足に意識を持っていかれているクルセイナ。
その中で……
「ほ~ん……どうしたのです~、ジャンヌさん。たかが友情のスキンシップごときで~」
「ッ!? ゆ、友情……す、すきんしっぷ? こ、これが?! これの何が?!」
「何が~? 友達なのですから、ハグもキスもしますし、パンティーチェックもしますわ~、ねぇ~シィーさん?」
「ッ?!」
ジャンヌを挑発するように煽るフォルト。
もちろん、フォルトも「これが普通ではない」ということは分かっている。
だが、
「うむ。そうなのだが……ジャンヌ的には、これは文化として違うのだろうか?」
「は……はぁ?」
シィーリアスがキョトンとした顔でそう口にしたことで、余計にジャンヌは混乱した。
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