ムーヴ・ベイン

オリハナ

【忙しい人のための、地球→魔法界へ行くまでのあらすじ】

第二章 魔法界 「2・魔法学校①」までぶっ飛ばしたあらすじ


 【初めに】

 ・主人公が異世界に到達するまでの、地球での出来事を大幅に省略したあらすじページになります。本編は長いですが、削る事も難しいシーンが多いため、このような形で用意しました。


 ・以下はプロローグ~【1・光の聖守護獣 編……第二章 魔法界】の「1・魔法台を目指して②」までの十五話分をまとめた内容です。


 ・ここから読み始める方は、読後、第16話「2・魔法学校①」(https://kakuyomu.jp/works/16816927862967280517/episodes/16816927862968202447)に飛んでください。


 ――――――――――


 今年で十四歳になる少年、輝明てるあき優兎ゆうとは、原因不明の病にむしばまれていた。


 それは発症からの回復・再発を繰り返す病で、症状は軽い風邪程度から命が危ぶまれる深刻なものまで様々さまざまであり、環境もタイミングも一切不明。当然、日常のふとした瞬間に苦しむような状況下で、まともに学校に通えるはずがなかった。


(負けたくない……こんな理不尽に負けちゃいけない。きっと希望はあるはずなんだ)


 忌々いまいましい名もなき病を、「あくまで治療法を知る人がいないだけ」等の望みを乗せて、「不知ふじやまい」と名付けた優兎ゆうとは、自宅で読書や小説を書いたり、クソアニメと名高い「ドラゴン・レジェンド」の視聴にきょうじたりして、慎ましく暮らしていた。


 そんなある日の夜、夢を見た優兎は、白く輝く光と謎の声を聞いた。


『うううううるさいわッ! 貴様こそ静かにせんかバカ者ッ!』


 というか、ブチ切れられた。


 その後、優兎は黒装束の女と巨人からなる謎の二人組と接触し、誘拐されそうになった。不思議な術を操る紳士風の老人「コーネリアル・バーキン」とフェニックスに酷似こくじしたしゃべる鳥「ラヴァ― ( 愛称:ちゅん子)」によって助けられたものの、ちゅん子は激しい戦闘によって瀕死状態におちいる。


 酷く痛ましい姿に、優兎は老人に向かって、傷ついた自分を治してくれたように治療をほどこしてくれと頼み込む。

 すると、老人は言った。


「君が治してごらん」


「君も治せる。いや、治せるようになった。――大丈夫。わしがついている」


 優兎は命の危機にひんした際に、回復を扱う事の出来る「光の魔法」に目覚めていたのだった。


 ちゅん子を癒す事に成功した優兎は、翌日になると、一連の騒動を単なる夢だと思った。が、家の居間へ行くと、例の老人が茶をすすっており、現実であると認識した。


 老人によって、優兎と彼の両親はようやく病の正体が「魔力の持つ毒気」による可能性が高いと明かされた。魔力の存在しない地球で、発散されずに体内に貯め込んでしまったのが原因として見られると。そして前夜での魔法の開花かいかをキッカケに、今後更に魔力に苦しめられると予測した。


 そのような現状の解決策として提示されたのは、魔法というのが存在する世界、魔法界ムーヴ・ベインへ行って療養する事。しばらく魔法界に留まる事で、魔力を洗い流せるかもしれないというのだ。老人は寮制の魔法学校の校長をしているので、衣食住は保証出来るという。


 無論、優兎を大切に育てて来た両親は、突拍子とっぴょうしもない話に難色を示した。だが、


「――僕、魔法界へ行きたい!」


 この一言と、興味からなる輝きに満ち満ちた瞳を見ると、優兎の熱烈なファンタジー愛をそばでずっと見てきた両親は、呆れつつ了承したのだった。


 その日の内に準備を整えると、優兎と校長は両親と妹の瑠奈るなに見送られ、長年暮らして来た家を離れた。


 道中、光の魔法の詳細、魔法にも限度はあり、死者を蘇らせる事は不可能である事、学校に興味を示す優兎に、あくまで居場所を提供するだけであると釘を刺したりしつつ、「ファンシック」(表向き:シーズングッズ販売店/裏:中継所)へ到着。


 言語のおまじないを腕に刻み、「古代人こだいじん」の残したオーパーツの転移装置「魔法台まほうだい」に乗って、優兎はいよいよ夢にまで見たファンタジーの世界に足を踏み入れたのだった。



ーー第二章 魔法界 「2・魔法学校①」までぶっ飛ばしたあらすじ 終ーー

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