第47話お泊まり3
「お帰り2人とも」
椅子に座っていたサティヤ母は編み物を止め帰ってきた2人に水をだす
「見て」
手首に着いているミサンガを見たサティヤ母は「あらあら」と言って机に置いた編み物を2人に見せる
「先越されちゃった」
白と黒が交互に編まれた矢印模様のミサンガだった
「それにしても綺麗な色合いだね」
褒めるのを忘れないサティヤ母
「そうでしょバベルに貰ったの」
バベルから貰った物を褒められて嬉しかったのか声のトーンが数段上がる
「あらバベル君そのピアスどうしたの」
バベルを見ると髪の間からキラリと光るピアスが見えた
「これですかこれは」
誕生日プレゼントで貰ったことそのお返しにミサンガをあげたことを話すと「だからか」と呟く
「最近ね」
「ダメ言っちゃダメ」
母の口を塞ごうと手を挙げるが背的問題でお腹までしか届かないがどうしても話してほしくないのかジャンプをして塞ごうと頑張る
「分かった分かった言わないから」
ジャンプしたことにより指先が下胸に当たりぶるんと揺れ動き恥ずかしながら胸を抑える
(俺が見てきた中で一番の景色だ)
<なに言ってるんですか>
馬鹿げた事を言うバベルを呆れながらも確かに凄いと感心するサナだった
「絶ー対言わないでよ」
頬を膨らませプンプンするサティヤに手首を掴まれ部屋に連れ込まれ一瞬サティヤ母と目が合う
(胸見てたことバレたかな)
<バレバレだったと思いますよ揺れた方に頭が動いてましたし>
「本当ママったら」
部屋に入っても怒りは収まらず次第に愚痴を話し始める
「それでね」
溜まっていた不満が爆発したのか愚痴はどんどん出てき終わる気配が一切しない状況で20分が経つ
「さ、サティヤもうこの辺で」
最初は上手く捌ききれていたが途中から愚痴るスパンが短くなり置いてけぼりになるあとほんのちょっと窶れた
「そうね気が楽になったは、ありがとう」
立ち上がり本棚から数冊の本を取り出し床に置く
「これは」
置かれた本の題名を読み面白そうな本を3冊取り読んで良いか聴く
「なに読むの?」
バベルが取った本は、龍の巫女、幻の国メーロン、迷宮ダンジョン最上階の達成者から聴く迷宮の謎の3冊だ
「これね面白かったな」
幻の国メーロンを持ち上げ良さを色々教えてくれる
「サティヤまって、その話し読んでから聴くことにする」
楽しみにしている人に一番やってはいけない大罪ネタバレをされるところだったバベルはサティヤの語りを遮る
「じゃあこっちの」
迷宮の本を取ろうとするサティヤを止め「全部読んでから聴く」と言い自分の世界に入り込む
「そっか、ん?こんな本あったっけ?」
最後の本、龍の巫女を掴みサティヤは違和感に気付く。本棚に入りきらないほどの本があるが3週目に入りかけてるサティヤは題名を見ればどんな本か思い出す自信があったそのため手に持っている本にすごく興味をそそられた
「ねっねぇこれ読んでいい」
バベルの肩をたたく
「痛い痛い」
すごく痛い思いをしたバベルは自分の世界から抜け出してきた
「なに!ものすごく痛いんですけど」
肩を擦りながら用件を聴く
「あのこれ読んでいい」
「どうぞ」
(サティヤの物なのに確認必要か?)
考えるのを止め本を読み進める
2冊とも読み終わったバベルは最後の本龍の巫女を読むためサティヤに声をかけようと思い顔をみると青ざめていた
「どうしたの」
バベルの声がした瞬間本を隠すように体の後ろに持っていく
「え!いや何でもない」
口ではそう言ってるが表情、体の震えからして何もないわけがない
「いや、絶対何かあるでしょ」
「何もないって」
本を持って部屋から出ていった
「あっ」
頭が真っ白になり当惑する
<追わなくていいんですか>
「そうだ」
サナに言われ追おうと立ち上がるとドアが開き何事もなかったかのようにサティヤが入ってくる
「ごめんね飛び出しちゃって」
「ビックリしたよ」
安堵したのか足の力が抜け座り込む
「あれ?本は」
改めてサティヤを見ると飛び出した時に持っていた本が無くなっていた
「私のじゃなかったからママに渡した」
(だから確認してきたのかな?)
「俺も読みたかったな龍の巫女」
座りながら本棚を見面白そうな本を探す
「どんな話だった」
なかなか良さそうな本が無く渋々ながら龍の巫女がどんな話しか聞き出す
「えーと龍と人が旅する話だった」
さっきは色々語っていたのにただ一言旅をするで終わらせたそれを聴いたバベルはサティヤには合わなかったんだと思いそれ以上深く聞かなかった
「バベルこれなんてどう?」
サティヤが1冊の本を渡してきた
「これ前のやつ」
前に来た時サティヤと一緒に読んだ英雄譚の本だった
「最後まで読めてなかったでしょ。だからどうかなって思って」
「そうだった」
途中で読み終わった場所がどこか分からなかった2人は最初から読むことにした
「この本主人公すごかった」
本を読み終わった2人はどこが良かったか感想を言い合い噛み合った話があれば自分だったらこうする私だったらこうするなどを討論する
(やっぱり誰かと共感し合うっていいな)
共感の良さを再確認するバベルだった
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