第6話恋は波乱が付き物

夜7時、キャサリン、ヒロ坊、トノ様、マドンナ、ジャニーは正門の時計台の下で待ち合い、5人が集合すると正門の扉を閉じた。


5人が向かったのは、いつもの割烹料理屋「千寿」。

入店すると、女将が、

「いらっしゃい、先生たちまた一杯飲んでね。はい、奥の座敷席へ」

今日は水曜日だから、店内は先週より静かだったがカウンター席は満員だった。

さて、座席位置をどうするのか?

「僕は一番奥に座るから隣マドンナ先生座ってよ!」

「ナニ言ってるのトノ様の隣はわたしよ。ソレソレ」

「ば、ババア!」

「じゃ、正面にマドンナ座れよ」

「先輩、俺が座ってもいいかな?」

「……うん」

トノ様は落胆した。

「じゃ、ジャニー先生の隣いいですか?」

「いいよ」

「ほら、ヒロ坊、あなたが王様席よ」

「オレは酒が飲めりゃどこでもいい」

「ま、誰かさんとは大違い。ヒロ坊あなた株があがるわよ!」


「さて、ファーストドリンクはロマネ・コンティでいいかしら?アハハ、ウソウソ、生ビールでいいかしら」

全員が賛成した。

数分後、このパーティーは乾杯をした。

先週はヒロ坊とトノ様と飲んだ時は、ゴクゴクビールを飲んだが、今夜は大人し目に飲んでいる。マドンナは策士だ!

「さて、ヒロ坊、トノ様、あなた達彼女出来たの?」

「……」

「……」

「まだ、いないの?」

2人は遠くを見つめて、

「そのうち出来るよね……」

「あぁ……」

「あなた達は優秀な教師よ。男気もある。だけど女心を理解してないわ」

「何が女心だ!オレたちゃプロだよ!歩く生殖器。なぁ、トノ様」

「僕は会社ならお局様のキャサリンに言われる筋合いはねぇよなぁ?そうだろ?ジャニー」

ジャニーは枝豆食べながら、

「すいません。話し聞いていませんでした」

ヒロ坊は舌打ちした。


「で、先輩ホントに彼女いないの?」

「いない」

「いない」

「じゃ、紹介しましょうか?俺のに聞いてみます」

マドンナは血の気が引いてきた。

キャサリンは、

「ジャニー、彼女って言ってもお友達でしょ?」

「もう、2年間彼女と同棲しています」

マドンナは今にも泣きそうな顔している。

「お手洗い行ってきます」

マドンナはトイレに向かった。キャサリンも後を追った。


「わたしはバカな教師です。危うく地雷踏むところでした。キャサリン先生、どうしよう?」

「また、次があるわよ」

「わたしにとって、恋人は虚数なんです。彼氏の存在はあるけど実数じゃない」

「もう、涙拭いて。あのバカ2人と共に楽しみなさい」


2人が座席に帰ってかた。

「遅いぞ!2人とも。髭でも剃っていたなか?」

「あんた達、バカよね~」

「おかわりいいですか?」

マドンナはやけくそで、生ビールを喉を鳴らして一気飲みした。

「次は芋のロック」

ジャニーだけが飲むペースに唖然とした。

「俺帰りますね。彼女が待ってるんで」

ジャニーはテーブルに5千円置いて店を出て行った。

「まだ、9時だよ。河岸変えよう。バーに行かない?素敵な店なんだよ。な?ヒロ坊」

「そうだな。オールドクロックに行こう」

4人は歩いて、バーの前に立った。

【OLD・Clock】

4人は並んで、カウンター席に座った。




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