第11話 寝取り魔VS彼氏

 ひとしきり白雪の寝取り映像を撮った後2人はそのベッドで寝た。そして、数時間後ソウマが最初に起きて神宮寺家にそのビデオテープをもって向かった。


 午前4時。ぽつりぽつりと人がいる程度だ。この動画を見た時の神宮寺を想像して、ソウマは今とても気分がいい。


 神宮寺の家とソウマの家はそれほど遠くないが、坂道のせいで15分程度かかってしまう。


 ゆっくりと坂道を登っていくと上の方から人影がランニングをしていた。だんだんとソウマに近づき、見てみるとそれは―――神宮寺だった。


 朝のランニング中だ。毎日やっているか?…NOだ、2日に1回、だが2時間ランニングしている。


「おはよう」

「おう」


 ソウマの評判の悪さは知っているはずだ。それでも、ソウマに挨拶をしてくれる。


 ソウマに罪悪感がのしかか―――るわけもなく通り過ぎてしまった。


「ふっ」


 神宮寺と偶然会ってから5分ぐらい歩いたら神宮寺の家が見えてきた。なぜ彼の家を知っているか、もちろん白雪に事前に聞いてある。


 家を出るときにアオイに自分が行くと言われたがこればっかりはソウマは自分でやりたかったのである。


 神宮寺はそれなりに金持ちで、それなりに売れている俳優と女優の夫婦に生まれた子供だ。


 家の前に立つと手に持っていたテープを神宮寺の郵便受けに入れる。


 カランと音が鳴り、それをまるで音楽を聴いているような気持ちよさそうな表情で確認しその場を去っていく。


 帰りは下りなので結構早く帰ることが出来る。


 家に帰るときは先ほどよりも人が多くなっていたがそれほどでもない。


 家に着き、あいさつもしないで、寝室に向かっていく。玄関のドアが開いたので起きたのか目をうっすら開けた白雪がベッドに横たわっていた。


 そんな白雪にソウマが伝える。


「届けてやったぞ」

「あは」


 完全に生徒会長キャラなど崩壊し、ソウマのためのモノとなり下がった彼女がそこにいた。


「さて、学校が楽しみだな」


 元々は学校が終わり、帰ったあとに神宮寺の手にあの映像が届くはずだったが、ランニングに行っていたので学校に行く前に確認することが出来る。


 結構短い映像なのですぐに見ることが可能で、おそらく神宮寺はそれを確認すると予想される。


 3人はアオイが作った朝ごはんを食べ、学校に向かうために家を出た。


「ククク、いやぁ楽しみだな」


 非難されるかもしれないがそんなの関係ない。周囲の目なんてまるで見えない。


「あ、ソウちゃん……。その人誰?」


 ソウマの彼女(ヒナの中)のヒナがやってきた。


「ああ、こいつか?こいつはな新しい奴だ。だが安心しろ、恋愛対象外だ」

「そうなの?本当に?」


 ソウマに聞くと少し怖い雰囲気になったヒナだったがすぐにソウマの言葉で安心した。


「本当だ」


 他愛ない話をしながら学校に着きみんなから軽蔑の視線を受け取る。とりあえずにらみ返すとすぐに視線を逸らす。


 教室に着き、アオイを1年のクラスに行かせ、白雪を3年のクラスに行かせた。


 アオイの幼馴染のレンからにらまれるということもあったがソウマは気にしない。


 HMが始まり、すぐに終わる。


 1時間目…


 2時間目…


 時間が過ぎる。しかし、まだ神宮寺は学校に来ない。


 すると3時間目の授業の途中にふらふらとうつむきながら教室に入ってきた。


 目からはハイライトが消え、唇は震えていた。


 顔をあげ、教室を見渡すとソウマを見つけ、目を大きく見開き先生を無視して駆け寄っていった。


「あれはどういうことだっ!」


 ソウマに向かって学校全体に響き渡るような声で叫んだ。


 ニヤリと笑みをこぼし、神宮寺の顔を一瞥すると落ち着いた声で答えた。


「そのままだ」

「そんなことないっ!サトミさんが…あんなことするわけない」


 さすがに視線に気づいたのか声を少し小さくして、ソウマに言う。


 するとソウマはめんどくせぇなと言いながらちっと舌打ちをすると、


「そのままだと言ってるだろ」

「そんなはずないっ」

「だったら試してみるか?」

「っ……。あ、ああ試してみるよ」

「ふっ、そうかよ」


 ソウマは携帯を取り出し白雪にメールを送る。


「おい!今はじゅぎょ」

「あ゛?」


 先生が何かを言おうとしたがソウマににらまれてひるんでしまった。


 どんまい先生。


 携帯を打ち終えてソウマは神宮寺に向き直って伝える。


「少し待て」


 

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