第10話 絶望の動画
(ククク、時々白雪たちの様子の報告をアオイから聞いているが、ずいぶんと冷めたそうじゃねぇか。頃合いか)
ソウマは幼馴染のヒナに顔を向けた。
「なぁ、ヒナ。今日、夕食俺んちで食わないか?」
「え…うん、いくいく」
「じゃ一緒に帰るか」
「うん!久しぶりだね」
最近は白雪を毎日のように家に呼んでいたのでヒナと遊ぶ時間はほとんどなかった。
「そうだな」
「もー、悲しかったんだからね」
ソウマがヒナの心の支えを担っている。そして、だんだんと彼女はソウマに依存していっている。現在、彼女の心の支えはソウマ以外いないに等しい。ここでソウマを失ってしまうと自殺しかねないぐらいソウマに依存している。
「あ、そうだ!最近わたし料理始めたんだ。今日の夕食はわたしに任せて!」
「ああ…」
(だ、大丈夫か?)
――――
放課後、学校一の美男美女カップルと言われている2人がデートに来ていた。
「…どうかしたんですかサトミさん」
「?どうした?」
「あ、いや。なんか結構携帯を確認してるなぁ、って」
「そうか?」
「いや、別にいいんですよ。…あ。あのお店よさそうですね」
「……ん?どれだ」
「あれですよあれ」
「ああ、あれか」
――――
(今日は来なかったな………)
ぴろーん
「はっ」
携帯の音を聞いてベッドから白雪がとっさに起き上がりメールを確認した。するとそこには
From:宮本ソウマ
To:白雪サトミ
件:終わりだ
もうお前の体に飽きた。もう呼び出さない
もし、俺が欲しかったら自分から言え
「……………」
視線を下に落とし、携帯の音を聞いただけでぐしょぐしょになっていた下半身を確認する。
(あ………なにを考えているんだ、私は……これでいいじゃないか…これでいいんだ。そうだ…。よし、寝る、か…)
「んぁ……あっ、はぁ…はっ、あっ」
(なんでっ…あいつの顔がっ)
――――
「なんか最近サトミさんの元気ないですね」
「え…?そ、そうか?」
「大丈夫ですか?」
「そ、そうだ…今日の夜は暇か?」
「…ええ、暇ですけど……」
(きもち、よく、ない)
――――
ピンポーン
「ククク、ようやく来たか。アオイ、玄関に連れてこい」
「はい、ご主人様」
アオイが玄関に向かいドアを開けるとそこには顔を紅潮させ息を荒くしている白雪が立っていた。
「こちらです」
「はぁはぁ…」
ソウマの寝室に案内するとそこには彼がニヤニヤしながら立っていた。
「いいのか?彼氏さんを裏切って」
「…私は、もう神宮寺では満足できない」
「そうかよ、だったらそれを神宮寺に伝えないとなぁ」
ソウマは白雪の腕をつかむとベッドに引きずり込んだ。
「んぅ…」
すると隣に置いてあったカメラを取り出し、撮影を始めた。
「ほら脱いでこのカメラに向かって神宮寺に挨拶しろ」
「神宮寺、元気にしてるか?私は今からソウマ様からの寵愛を受けるぞ」
目をハートにしながらにへらと笑いながらカメラに手を振った。
「ほら、こっちにこい白雪、そして神宮寺に別れを告げるんだ」
「うふふ…ごめんな神宮寺、別れよう…」
――――
「なんなんだ…………この、動画は…」
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