突如現代社会にダンジョンが出現し、平凡に暮らしていた人々は突如冒険をすることに……という作品は無数にあるが、その中でも本作はちょっと異色。だってダンジョンを攻略するのが個人じゃなくて軍隊なんだもの! それも2065年の超ハイテク仕様!
というわけで少し近未来の日本を舞台に、日本情報軍に所属する的矢陸翔大尉が部下と共にダンジョンを攻略していく、ミリタリー×ファンタジーな一作。
ゴブリンやオークといったファンタジー世界の住人に鉛玉に浴びせていくのは実に爽快。偵察用にドローンが活躍したり、バンカーバスターを投下して複数のフロアをまとめて貫いたりと様々な兵器したかと思えば、祝詞を唱えてアンデッドを討伐したりとあの手この手で次々にダンジョンを攻略していく。
この津波のように押し寄せるアクションシーンの一方で、人間でありながらダンジョンを崇めるカルト集団、同盟国から送られてきた信頼できない外国人兵士たち、的矢にだけ聞こえるかつて殺したダンジョンボスの声……などなど、不穏な要素も数多く散りばめられている。
圧倒的火力を有しても戦うのはあくまで人間、的矢たちは血みどろの地獄と化したダンジョンを正気を保ったまま攻略することはできるのか!?
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)