《改稿版》異世界アプリで快適スローライフ。

冷凍まくら

プロローグ

 お読みいただきありがとうございます。

 改稿版の投稿が遅くなり申し訳ありません。

 色々と文章を書き直しているうちに、あっという間に連載を中断してから2か月が経過してしまいました。

 正直、まだ10話までしか出来ていないので連続投稿はできませんが連載を再開したいと思います。

 10話までは投稿するまでに何度も修正していたので、もしかすると話に齟齬が出てくるかもしれませんので、そういった点があったときは指摘してもらえると助かります。

 最初にまとめて10話まで投稿した後はできれば3日に1話 最低でも1週間に1話は投稿できるように努力したいと思いますのでよろしくお願いします。



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「何処だ、ここは?」


 心地よい風と青臭い草の匂いにより目を覚ますと、見慣れた部屋の天井ではなく、澄み切った青空が広がっていた。


 体を起こして周囲を見渡してみると、見渡す限り一面に草原が広がっており、所々に見たこともない形の木や草花が生えていた。

 

 うーん、ゲームのしすぎでこんなにリアルな夢をみるようになってしまったか……と思いたいけど、それにしては五感がリアルすぎるよな。

 それにたしか俺はトラックに轢かれそうな女の子を助けた代わりに自分がトラックに轢かれてしまった筈なんだよな。


 その時の光景を思い出そうとすると走馬灯のように記憶が蘇ってくる。


 信号無視をするトラック。

 トラックに気付かずに横断歩道を渡る女の子。

 それに気付く俺。

 

 俺が女の子に逃げるように必死に大声で呼びかけるも、何かに気を取られているのか、女の子はトラックに全く気付く様子がなかった。

 しょうがなく俺は必死に走って女の子を助けようとしたが、思った以上にトラックの速度が速く、女の子を突き飛ばしてて助けるのが限界であった。

 女の子を助けることができてよかったと安堵した直後、視線を左に向けるとトラックが目前にまで迫っており、「あっ、死んだな」と思った瞬間、体にすごい衝撃を受けて意識が途絶えたのだ。


 ……ということは、ここは死後の世界なのか? 

 しかし、死後の世界というよりも、見たこともない草花が生えていることから異世界転移したと言われた方がしっくりくる気がする。

 普通ならこの状況にパニックになる人もいるかもしれないけど、俺はラノベで異世界転移ものはたくさん読んできたから、冷静でいられるし、むしろこの状況に少しわくわくしている自分がいる。

 

 とりあえず、トラックに轢かれた前と後で記憶や体に変化がないか確認をしておくか…

 

 名前は雲吉あたる。年齢30歳、独身、会社員。

 住んでいた日本のことや両親、友人、職場の同僚のことなどもはっきりと思い出せる。

 

 服装はトラックに轢かれたときと同じスーツ姿のままだが、仕事の書類や財布などを入れていた鞄は見当たらないな……

 しかし、トラックに轢かれたにも関わらず、体に怪我はないし、服に汚れや傷がないのは不思議だな。

 まあ、怪我した状態で異世界に飛ばされても死ぬのを待つだけだから、怪我がないのはありがたい。

 

 趣味はゲーム。

 ロールプレイングゲームやアクション、ローグライクもの、サバイバルゲーム、リズムゲーム等、色んなジャンルのものを楽しんでいた記憶もある。

 そういえば、最近はとあるスマホゲームに嵌っていて、そのゲーム内のレアなキャラやアイテムを手に入れるためのガチャを回すために、何ヶ月も我慢してゲーム内通貨を貯め込んでいたんだよな。

 ちょうど欲しいキャラがピックアップされたから、トラックに轢かれなければ、自宅に帰宅した後に100連しようと思っていたのに……

 こんなことになるなら、さっさとガチャを回しておけばよかったな。


 単発でレアなキャラやアイテムが出たときにはひとりで大はしゃぎしたり、逆にあまりに引きが悪い時には携帯を投げつけて壊しそうになったり、発狂しそうになったのも、異世界に来てしまった今となっては懐かしい思い出である。


 この世界にそういったゲームが存在するかはわからないが、少なくとも今までやってきたゲームを続けることは不可能だろう。


「あぁ、こんなことになるなら、もっと色々なゲームを楽しんでおけば良かったな」


 俺が思わず、そんなことを呟くと


『その願い、叶えてあげましょう』


と女性の声がどこからか聞こえてくるのであった。

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