俺のアガりは安すぎる。
ゆうきちゃん
プロローグ
プロローグ
「ロン!8000だ。さあ、点棒を払いな」
闊達な男が、日に焼けた腕を晒して勢いよく自身の手牌を開いた。東、東、東、草みたいなやつ、漢字、よくわからない模様の牌。この手がなぜ8000点にもなるのか俺には全く分からない。
「当たらないと思ったんじゃがな」
「たまたま二巡目で切った一索がブラフになっていたみたいですね。陵光はそんなこと考えていないと思いますけど」
「んなにおうっ。これは作戦通りだぜっ。なあ孟章、そう思うだろ?」
な?と、俺の右側に座る美丈夫がこちらを見る。その視線に合わせて、正面に座る柔和な面の青年も俺を見た。俺の左に座る堅物と見える男はその柳眉を顰めて点棒を渡している。
俺は口を開いた。
「んん。陵光がそう言うなら、そうなのだろうな。
ところで、お、……私の、親番、は、終わってしまったのかな」
何を言ってるんですかあ、酔ってるのかお前、と三者はあきれ顔を浮かべた。
俺は背中に汗をかく。俺の手元には13枚の麻雀牌。
この場をどうにか切り抜けなければ、最悪の場合、俺は一国を滅ぼしてしまう
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