過去から始まる嘘と最低

エリー.ファー

過去から始まる嘘と最低

 信じられないほど大きな嘘をついてみたい。

 そして。

 それが暴かれて思いっきり、叩かれたい。

 大炎上したい。


 嘘。

 そんなことは死んでも避けたい。

 死ぬのは嫌だ。

 だって、苦しいから。


 嘘。

 死んだら楽になれるって言うし、死ぬのもありかも。

 遊びみたいに言葉を連ねるのも一興です。


 嘘。

 言葉をこねくりまわしても、言葉より遠くへはいけない。

 愛想笑いを繰り返して泣き虫みたいに振舞いたい。


 嘘。

 依然問題なく。


 嘘。

 問題大あり。

 何もかも山積みでいつになったら解決することやら。

 助けて下さい、お願いします。

 このままじゃ、このままじゃ。

 あぁ、どうしよう。


 嘘。

 助けてくれなくてもどうにかします。

 だって、お金ならいっぱいあるし、なんでもかんでも解決できちゃう。


 嘘。

 解決なんてできない。

 いつも、問題に押しつぶされる夢を見る。

 誰か助けて下さい。

 何もかも大切なものだと思い込ませて下さい。


 嘘。

 大切なものなんてない方がいい。

 だって、事実から一番遠いんだから。

 現実を何も内包していないんだから。

 

 嘘。

 大切なものがあるからこそ生きていける。

 人生にハリが生まれる。

 生きるという最高の娯楽。


 嘘。

 生きることを遊戯と同義にしない。

 それが命への最大限の礼儀。

 人生への向かい合い方。

 曲げてはならない信念と魂。

 歪み切った命では語ることのできない、真の芸術。

 これが私たちを輝かせる。


 嘘。

 輝きなんてものはない。

 すべてまやかし。


 嘘。

 まやかしはあるけれど、すべてではない。

 言いきってしまうのが私の悪い癖。


 嘘。

 悪いところなんて一つもない。

 自己肯定感を高めてミサイルだって発射できちゃう。


 嘘。

 ミサイルじゃなくて、勇気という名の日本刀。

 振りかざして、戦う。

 ジャパニーズエイシャンスタイル。


 嘘。

 エイシャンスタイルってなんですか。

 聞いたことないんですけど。

 軽はずみな発言はやめてもらっていいですか。

 いや、軽はずみな書き書きですね。すみません。

 これは、あくまで発言ではないですもんね。

 すみません。


 嘘。

 これは所詮お喋りの延長。

 何も乗せるべきではない。

 だって、そうでしょう。

 偽りみたいな紛い物があったとして、それは本物と言えるのか。

 じっくり考える必要があるんじゃないですか。


 嘘。

 考えなんてなくていい。

 思考が暇つぶしの域を出たことなんて一切ないんだから。

 何もかも思考に背負わせ過ぎ、可能性を感じるために必要な手段であったとしても、現実にリンクするための装置にはなりえない。

 変えられないから。


 嘘。

 変えてなんぼの世界でしょ。

 変えなければ自分の生き方だって肯定できない。

 世界だけじゃなく、自分自身も含まれている。


 嘘。

 一番大切なものはありのまま。

 閉じこもっても、凍てついても、悲しみに暮れても。

 自分を見失わないこと。

 正確には、自分を愛するということ。

 

 嘘。

 自分なんて愛さなくていい。

 嫌いという感情を浴びせる向きを定める決まりごとはこの世に存在しない。

 従わなくてはならないなら、早々に人間という生き方から退散したほうが良い。

 愛の足りない人生は不幸だけれど。

 愛のない人生はすぐに慣れる。


 嘘。

 と言いたい。

 でも、かなり本当。

 残念だけど。

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