他人の色が見えるが故にどこか一線を引いた主人公が、色が見える事で救い失う。柔らかく語られる青春物語のラストは悲しくも甘い。
文章が丁寧でとても読みやすく、色というものを扱いながら青春を描いている作品。地の文のやわらかさ、青春のキラメキ、作品中盤までの楽しい青春と、なんとなくないい雰囲気。なのにどうして……。最後の展開には驚きました。それでも、主人公らしさなのだと思います。ぜひ最後まで読んでいただきたい1作。