血が繋がっていなければ妹でもいいですか? 続 血が繋がっていない妹でも世界を救っていいですか?

ヘルニア

第1話

音楽を聴いている。今は『聞く』ではなく、『聴く』、だ。作曲をするには必要不可欠な要素だろう。絶対音感ではない自分は耳コピでの作曲で飯を食っている。こうしてjpopを鑑賞し、曲作りに活かしているのだ。

「お兄ちゃん、、、またこ、、に散ら、、て、、、あん、に掃除、てっ、言ったのに、、、」

妹の声がする。ヘッドフォン越しだから上手く聞き取れない。

「うん?どうかしたか?」

俺は音楽鑑賞に一区切り付けて、中古のヘッドフォンを外した。

「おーにーいーちゃーん!」

「うわっ、びっくりした」

どうやら妹は俺の耳のすぐ近くで、しかも大声で喋っていたらしい。大音量で音楽を流していたためヘッドフォンを外すまで気付かなかった。

「お兄ちゃん、部屋の掃除しておいてって言ったでしょ!」

「ああ、悪い。でも、ここはこのマンションの中でも壁が薄いって聞くぞ。あんまり大声出すと近所迷惑だぞ」

「まったくもう。しょうがないから私が片付けておくね!」

「いつも、済まないな、ミク」

血の繋がらない妹のミクはこう言いながらも、いつもこの一室を整理したり、ご飯を作ってくれたり、俺の身の回りの世話もしてくれている。本当に感謝してもし足りない。

「お前もモデルの仕事が忙しいだろう。あんまり俺に構わなくてもいいんだぞ」

「でも、私もこの部屋に住まわせてもらってる訳だしね。宿代の代わりだよ」

ミクはモデルの仕事をしている。高身長でスタイルもいい。小柄な俺とは正反対だ。俺たちが実の兄妹ではないことは外見だけで明らかだろう。

「昼ご飯も作っておいたよ。仕事が一段落したら食べてね」

「ありがとうな、ミク」


1時間後、、、


俺は仕事に区切りをつけ、ミクの作った肉じゃがを頂く。程よい香りが鼻腔をくすぐる。そして、一口。

「ん、美味いな、これ。また腕を上げたんじゃないか?」

「えへへー、そうかな」

「うん、お前の未来の旦那は幸せ者だな」

「ーーー!」

「?どうした?顔が赤いぞ」

「ーーあ仕事の時間だ行ってくるねー!」

ミクは凄いスピードで部屋を飛び出していった。俺、何か悪いことを言っただろうか、、、


俺は昼食を取った後、すぐに曲作りを再開した。

ここを、こうして、この音をここに当てはめて、、、


1時間後、、、


よし、こんなもんでいいだろ。明日はこの曲が入ったメモリを会社に行って提出する日だ。

「ふぁあぁぁ、眠い、、、」

そう言えば、昨晩は徹夜したんだっけ、あくびをするほど眠いということだ。今から寝て、明日に備えよう、、、

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