第68話計画


「そういえば、おじい様。最近、領地を荒らすを全て捕獲し終えたと聞きましたが本当ですか?」


「おお!もう情報が伝わっておったか。その通りじゃ。一匹残らず捕まえたわ」


「随分、頭の良いだったようですが……」


「あんなものを押さえれば終わりじゃ」


「猿は曲芸もするですからね。飼いならせそうですか?」


「う~……む。じゃな」


「ならば、するのに一つ提案がございます」





 数週間後、暴徒達の殆どが死に絶えました。

 噂では山賊の群れと行き会ったせいだとか。

 まぁ、食料を山のように携えていた山賊は運が悪かったのでしょう。それでも武器らしいものを持たない暴徒達と武器を持っている山賊とでは戦闘力は格段と違います。にも拘らず山賊側が全滅してしまったのは数の暴力に負けた結果でしょう。何はともあれ、これで

不要な犯罪者達が一掃できた事は実に喜ばしい限りです。

 



「ここまで上手くいくとは、ヘスティアも悪じゃのう」


「あら?反省の色のない犯罪者は野放しにできません。彼らも覚悟があって犯罪を犯していたのでしょうから自業自得の結果です」


「ふぉふぉふぉふぉ」



 結果として、私の読みが当たったに過ぎません。

 どちらもがいなかったからこそ成功したのです。毎回、上手くはいきません。



「王都民は心身ともに疲弊しておる。今なら抵抗もなく儂らを受け入れるじゃろう」


「王都に凱旋するには大量の物資が必要ですわね」


「そうじゃのぉ。食料の医薬品は必要じゃ」


「食材を渡しただけではダメでしょうね」


「調理をする気力のある者はどれほどいるか分からんのぉ」


「いっそ、炊き出しでもいたしますか?」


「奴らのようにか?」


「はい。私たちが行うのはですから」


「一時的ならば効果はあるか……」


「はい。やる価値はあります。ついでに、その場で医療を行えば一石二鳥です。民衆も私達に感謝するでしょう」



 誰が見ても分かり易いパフォーマンスが必要です。今後の統治もやり易くなるというもの。あら?そう言えば王族は亡命したと聞きましたけど残っている者はいるのかしら?





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