みつなはるねさんのカクヨムコン8資料室と近畿地方のとある場所について

みつなはるねさんが、カクヨムコン8のデータを集計して纏めていて『カクヨムコン8 資料室』として公開されているのですが、なかなか参考になります。

ジャンルごとの参加作品数、それらの完結の割合、連載年、星の数を集計して割合として出してくれています。

さらに中間発表後のデータとして、星の数ごとの中間通過作品数とその割合を出しています。


みつなはるねさんは柴田恭太朗さんの『別館・カクヨムコンデータ』という、カクヨムコン期間内のランキングデータを毎日取ってアーカイブ化している方がいるのですが、その方が出したデータを元に算出しているようです。



実際に、みつなはるねさんのデータを見てみると、異世界ファンタジーはエントリー数が多くて通過率1割切っていて、ホラーは参加数が少なくて3割を超えていたりします。


異世界とホラーは予想通りなので、でしょうねーという感じだったのですが、意外と参加作品数が少なかった割に通過数がおおくて実質1/5作品が通過となっていたライト文芸ジャンルでした。

ラブコメも近年勢いを増しているので競争率が激しそう……と感じていたのですが、実際のデータを見てみるとエントリー数自体はそこまで多くなくて通過率2割あるのが意外でした。

エンタメ総合は予想通りではありますが、その他ジャンルが全て集結してきたのか、異世界ファンタジーに次いで競争率が激しくなっています。


他ジャンルは大体うまくバランスが取れていて通過率2割前後になっています。


まあ、カクヨムコンの中間突破はあくまでも、ではここにお集まりのみなさん、これからみなさんでバトルロイヤルを始めてもらいます……の本戦へのエントリー権をてにしたにすぎないし、そもそも自作がそこに行けなければなんの意味のない数字の羅列にしかすぎないのですが、来年どのジャンルにしようかの指針の一つくらいにはなるかなと思います。


カクヨムコン8 資料室

https://kakuyomu.jp/works/16817330653070298171



唐突に話は変わりますが、最近ずっとランキング1位を独走していた『近畿地方のある場所について』


ホラーだし、明らかにいつものWeb小説とは感じなのに1位だなんてなんだろう……と思ったらSNSでバズっていたようで、普段カクヨムを読まない人が読みに来たのかと思われます。


この作品は、いろんなメディアの情報を集めてきた体で構成された、いわゆるモキュメントホラー形式という、『ブレアウイッチプロジェクト』や『ほんのろ』系のホラーのようですが(怖いのであまり本文は読んでいない)

上手いのは非常に作りが徹底していて、作者の名前、プロフィール、近況ノートとそこに貼られた画像(おそらくAI生成)、Twitterのアカウントまで全てがこの作品一つのためだけに徹底されているという事です。

小説を読み終えた後作者の近況ノートに行ったらまだ小説の世界が続いていた感を出してくるのは、『リング』を映画館で見た後に家に帰って何も映っていないテレビの画面を見た時に感じた恐怖を思い出して、上手いなーと思ってしまいます。


元々カクヨムはIDを一つしか作れない(二つめのIDでログインすると即アカウント停止になるらしいので試してはいませんが)仕様なので、作品ごとにIDを使い分ける事ができない為、おそらくこの作者はこの作品だけを公開するしかない、もしくはこの世界観の地続きのものしか今後書かないくらいの人しかこの手法を取る事ができないんです。


しかも、カクヨムコンの期間にもし公開されていたら間違いなく荒れてたと思うのですが、これだけ周到に準備して公開されている作品なのに、カクヨムコンが終わるのを待ってから公開したとしか思えない様な絶妙な配慮がされていたりするあたり、ただ人気を出して出版に結びつけたいだけの人とは思えない、プロの犯行の香りがします……。


『電車男』は『2ちゃんねる』という匿名掲示板で実際に書き込まれたコメントをそのまま出版しただけ……という体を取っていました。

実際に作者がだれなのか、はっきりされないまま今に至りますが、本当のところは『2ちゃんねる』のコメント時から既に意図的に仕組まれていたのでは……という憶測があったりします。


この作品にも、ちょっとそれににた感じがしなくもないかなと思うのですが、実際の所どうなのかはっきりわからないところが、それもまたホラーっぽくて良いですね。

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