世界のマタタビ大全Ⅲ
※本編ではありません。一部ネタバレを含みます。
(貴方は埃塗れの本棚から、古くて分厚い図鑑を開いた。何と中身は『シーカーの心得』であった。)
『―――――――――――
【シーカーの心得】
著・ククルト=フランデ
→トライデント斜塔ダンジョンで頭角を現した伝説的獣人探索家シーカー。クラン・爪痕クロウズ・マークの初代先導長。踏破したダンジョンは90以上にも及び、当時最高位であったマスターシーカーの称号を獲得。晩年はダンジョンギルドの上級開拓家や番台嬢としても活躍。多くの功績を世に残した。
《第一章・シーカーとは》
・シーカーとはライセンスを伴う特殊な冒険家の総称である。
・所得ライセンスには明確なクラス分けが存在し、クラスによっては立ち入る事ができないダンジョンも存在するが、パーティ内の一人でも条件を満たしていればOKなど、ダンジョンによってまちまち。
・取得者は国が取得許可を与えた人物に限り、すなわちそれは国家及び定められた団体の身分を証明出来るものでなければならず、国家間の秘密保持の為その条件は厳しい。
→(追記)現在はやや緩和され、特定の学院や冒険者ギルドの所属者などでも取得が可能。
・シーカーの存在は公だが、施設の使用許可や集まりの場などは秘密が多く、これは情報を盗賊や蛮族らに漏らさない為の工夫である。また、シーカーは国際機関ではないが、シーカーキャンプはシーカーなら誰でも使える。
・主な収入源は鉱石や古代武器などのオーパーツ、薬草、珍味食材となるだろう。
主目的は最下層の秘宝や敵の討伐であり、基本的にそれらは特殊領域迷宮シーラを形成する要因となり、"強大な魔力"を秘めている為に稀少価値や武器としての運用など、国力を著しく左右するものと言われる。
またその"要因"は円環点とも呼ばれており、異常の解決後、探索家の帰還を容易にする。(稀に普通ダンジョンでも同様の現象を確認できた。)
《不破領域用、索敵隊列》
・目的は大パーティにおける、危険地帯での低戦闘能力者を守ることと、主軸だけでも目的地にたどり着かせるという捨て身の作戦の要素、敵の群れ遭遇時の安全確保。取り分け未開拓領域における探索は、縦列のみでは死亡率が高いとされる。なお下記の例は{クラン・爪痕}で採用された8名体制である。
「索敵方法1」
警戒線を浮かせ、範囲内に陣形を入れる方法。→オーパーツ(骸の糸)
「索敵方法2」
探知魔法を特定の人間が展開し、範囲内に陣形を入れる方法。→魔法(先導の光輪)
「図解・陣形一覧」
〇=戦闘員
□=非戦闘員(負傷者、支援者等)
D1
○
○ ○
□□□
○ ○
D2
○
□ □
○ ○
□ □
○
D3
○ ○
□
□□□
○ ○
D4
○
□
○□ □○
□
○
D集約
○
○□○
○□○
○
主な使用場所
…眠れる龍の森(ノスティア地方)
…オーク荒野(ウェスティリア地方)
…ゴブリン街跡地(サステイル地方)
…暗黒森林(ノスティア地方)
…影踏み森(イーステン地方)
…月光荒野(イーステン地方)
…焼失の森(サステイル地方) etc...
4.03より追記
使用されたと推定されているが、帰還者はいない。
…アンノウン(新大陸・不明海域)
…|神々の樹海(エル=フォレスト)(ウェスティリア地方)
…ゲーテ大洞穴(新大陸・不明陸域)
《攻略レベル:危険度》
・区分けが二つある理由。
(知っての通り、私欲にまみれ情報戦争を謀る国家間が"共同"で制定した下記の危険度推移は、現場では全くもって意味を成さない。やはり現場で命を懸けている者と、権力に飼い慣らされた開拓家たちとの熱量の差には、明確なものがあるのだろう……。)
→追記・現在はシーカー区分けに合わせ、改訂、追加拡張がなされた。…しかし現在においても各ダンジョンごとに〇級と分けられているこの大雑把な区分は、層毎の危険度を意識する現場のシーカー達からは好まれていない。
「国が制定した区分け」
〇(G~A)級
G 子ども向け注意喚起レベル
F 河沿いの探索地レベル
E 巨大オオアリの巣窟レベル
D 大ネズミの下水道レベル
C
B
A 竜谷レベル ―――以上基本7段階
S 特定エス級ダンジョン ――追加1段階
SS(EL)特定エル級ダンジョン
SSS ――追加2段階
測定不可 計10段階+α
「シーカーたちの区分け」
(G)レベル1 注意領域
(F)レベル2 要注意領域
(E)レベル3 警戒領域
危険領域 (プロ領域)
(D)レベル4 下級
(C)レベル5 中級
特別危険領域(ベテラン(ネザー及びマスター)領域)
(B)レベル6 上級
(A)レベル7 上級特化
限界領域
(S)レベル8 絶命領域 Sエス
(EL)レベル9 神々の地 EL(エル=)
(EL)レベル10 神々の懐 EL(エル=)
特殊領域
レベルα 日々変動が激しく測定不能。
レベルβ 謎すぎて推定すら出ない。
…探索地シーラ内部でも区域によって変化するレベルのため、場所によっては国家水準的には高レベル帯ダンジョンでも、ビギナーが探索している場合も有る。
…加えて危険度が明確で、気が引き締まる区分と言われている。
…レベル4からはプロシーカーの仕事と言われている。
…Sがつくものを絶命領域と言う。
…対して難度の高いA以下を絶望領域と揶揄する奴もいる。
…神々領域しんじんりょういきと区別するところもある。
…探索士領域シーラは隠語。故に仲間内では探窟地とか探索地とかいう団体も多い。
→追記・現在ではシーラとして普及している。
…ダンジョンとライセンスの難度及び級位については謙遜ありき、通常の感覚ではレベル5で上級者。レベル6まで行けば秀でた天才扱いされる。すなわち、ダンジョンを前に図に乗るなと言う事だ。
《ライセンス》
管理されたダンジョンは、パーティに一人はライセンス所持者がいなければならない。
場所によっては所持者しか入れない。
通 称 別 称 推奨難易度(級)
最低位 ビギナー ・ 底級 F~
低位 アマチュア ・ 低級(アマチュア)E~
下位 セミプロ ・ 初級(アマチュア)D~
中位 プロ ・ 準中級(アマチュア)C~
(ここからは極僅か。通常は天才と呼ばれる境界。)
中位 セミトップ ・ 中級(ベテラン) B~
上位 トッププロ ・ 上級(ベテラン) A~
高位 マスター ・ 特級 (怪物)
最高位 アポストル ・ 極級 (怪物)…エルゾーンから帰還したマスターたち。
計 8 等 級 + 2
改訂 連盟会議より追加決定。二等級SとAの間
高位 ネザー ・ 高級 (以下、通常S級とまとめて呼称)
高位 グラン ・ 最高級
高位 ヴォイド ・ 準特級
計 11 等 級 + 2
以下、特殊ライセンス
「特例:先導開拓士・パスファインダー」
・シーカーではなく、とりわけ未開拓領域。例えば監視所や観測所、中継拠点地シーカーキャンプの無い様な場所を専門的に調査、開拓し実績を挙げた者。
・シーラでの実績が無い為や、様々な理由でライセンス発行基準をクリア出来ていない者もいる。
・認められた者は「制限無し」(顔パスと呼ばれている)として如何なるダンジョンにも入窟可能。
→(追記)・シーカー達には、レベル的に高くても"セミトップクラス"と思われていたが、近年ではマスター区分まで見直され始めた。理由は未開拓領域が減少し難度が上昇せざるを得ない為と、選考理由が厳しい為。
「特例:拠点開拓士・ビルダー」
・シーカーとしての能力は低くくとも、本格的な前哨基地確保のために"特例として"「制限無し」となっている者。
・悪用厳禁である。ビルダーを採用した隊は死亡率が3割ほど高くなっている。
《黄金の七人隊・ゴールデンセブンス》
・参考までに記載するのはダンジョンにおける最良の編成とされる一つだ。知っての通りダンジョンにはクランメンバー毎に役割を決められることが多い。
しかし数多ある隊職、そして構成人数の中で、如何なる事態に遭遇しようとも生還を可能とする編成が有るとされている。すなわち理論値だ。
誠に皮肉なことではあるが、それがかつて、私が所属していたクラン
《
大変難儀なクランでは有ったが、我らながらに探索士の編成選択における礎を築き上げたことには誇りを感じざるを得ない。しかし時を経れば伝説は揺らぎ、人伝に変わり切った解釈が迷信に堕落することも想定されなければならない。
すなわち以下に、
『先導手』(トレイルリーダー)
『護衛者』(ジーク)
『技術師』(メカニケ)
『医療師』(メディック)
『調理師』(リッパ―)
『運搬師』(ポーター)
『幸運者』(シスター)
・・・・・
――――――――――――――――――』
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