第11話

 にわか雨が降り続いているライスバーガーは、萎れたおにぎりのように新婚ぶりを発揮していた。


 スポーツ番組に出たがっていたサボテン軍団が、春先にモルタルを食べて成長する。


 覆りようのない靴べらは、精油成分を舐め尽くして小水を漏らした。


 扁桃腺にできた佃煮という生物は勝負師であった。


 ミキサー車を十二星座に加えたのはとある物理学者であった。


 サブスクライブをインターフェースにペダンティックするくらいなら、森さんを林さんにする方がまだマシなようで、現金な剣技に容疑を掛けてしまうくらいのささやかな驚きがあった。


 受賞作を死活問題にたとえるなら、クーデレな彼女はバントの名手ではないだろうか? 


 いや、そんなことはないか。


 ボールポイントペンを翻訳するとラインマーカーになるというほら吹きなホラ貝は、燕の巣を食べると性格が豹変するみたいだから、気を付けた方がいいよ。


 充電器を怪獣に食べてもらうと街は原子核のようにちっちゃくなってしまった! 奴らに正体がばれるといけないので、ベジタブルを好んで食べる大賢者に相談すると、大賢者の親戚にしてもらえることになったこれでただ飯だやったぜ!


 三番セカンドの五月晴れは今日も大雨で気分が沈んでいたが、アモーレサンティアゴパワードスーツと喚き叫んでいた男は今日もこう見えてハイテンションだった。


 クライシスがみりん漬けにされている。


 クランベリーがハチミツ和えにされている。


 クラッカーがマリモに封じ込められている。


 小規模に起こった羊頭狗肉は寂れた阿諛追従に電光石火で駆けよって、荒唐無稽を極めた桜前線らしく、華やかにかつ色即是空に消防署を包み込んで消失した……!




 くだらない、か。


 昔は私の頭の中のことを、誰かに話すことはあったんだよ。


 まぁ昔のことだけどね。

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