第二話:軽業師系
「さて。戦士系は以上ね。次は軽業師系に移りましょうか」
「軽業師系ですか? 何か不思議な呼び名ですね」
「そうかしら? 私はこれで慣れ親しんでいるから違和感はないのだけど。アンナはどう?」
「
「そうなんですね。軽業師って聞くと、あまり戦いをするように感じないからかな……」
「確かに、しっかりとした前衛の立ち位置を持つ戦士系に比べると、少々位置付けが異なる事が多いわね。その辺も含めて説明していくわね」
下位職 上位職
───────────
軽業師──┬──曲芸師
├──盗賊
├──
└──暗殺者
├──
└──
───────────
「あれ? 戦士系と比べて、結構少ないんですね」
「はい。やはり冒険者としては補助的な一面が強い職業となりますので、それ程職種が多いわけではございません」
「そうなんですね。冒険者としての立ち位置はどんな感じなんですか?」
「軽業師から派生する職業は、どちらかといえば宝箱や扉の鍵の解錠や罠の解除、その身軽さを活かした技を得意とするわ。対する
「軽業師の上位職って、何か全般的に癖が強い名前が並んでますね」
「そう思われるのも仕方ないかもしれません。実際上位職は、曲芸師を除けば非冒険者として行動している者も多い職業ですから」
「やっぱり……」
「でも、冒険者として共にいると、こういった職業はそれはそれで、とても役に立つことも多いのよ。例えば冒険者のクエストはただの冒険だけじゃないの」
「え? どういう事ですか?」
「ランクがあがってくると、とある商人の悪事の証拠を掴んでほしいとか、敵となる魔族の拠点について調べて欲しい、なんていう機密を扱うクエストなんかもあるのよ。そういう時にこそ、これらの職業の出番となるわ」
「各職業の具体的な違いはなんなんですか?」
「まず曲芸師は軽業師の純粋な上位職ね。身軽さを芸として見せるだけでなく、そのトリッキーな動きで変則的な攻撃をしたりが得意なの。他の職業は曲芸師にはない潜入に特化した技を持っているけれど、それぞれ派生が違うわ。盗賊はその名の通り盗みに長けているわ。だから鍵開け、罠解除なんかは他の職以上の技術力を持っているし、ダンジョンでの宝物調査のように、価値あるものを探る能力もあるの。
「暗殺術は文字通り、隠密に行動して相手を倒す技術に特化しております。奇襲に非常に効果的な技を揃えておりますし、一対一の戦闘に関して言えば、上位職の中では最も戦闘力が高いのも魅力にございます」
「じゃあやっぱりアンナさんも凄い強いんですね!」
「そんな事はございません。
「アンナったら謙遜して。ミコラと手合わせしてあそこまで互角にやれるんだもの。十分過ぎるわよ」
「そう言っていただけるのは光栄にございますが、カズトを始め皆様お強いですから。まだまだ精進あるのみでございます」
───
「
「
「つまり狩人って事ですか?」
「意味合いは近いのですが、実際の職として考えますと異なりますね」
「え? 違うんですか?」
「はい。この世界での狩人は一般職なのですが、主に小動物を罠で狩ったり、動物達の生態を知識でもっていたり、森などの環境下での生活の情報を持ち合わせているだけなのです」
「でも、実際森なんかでも虎や狼といった凶暴な動物だったりもいるわ。そういう意味で、どうしても戦闘職としての腕前も持っていたい。狩人達がそうやって選んできた戦闘職が、遠くから獲物を狩れる
「へー。そんな
「ええ。
「精霊術は物理的な術の媒体を不要とする職業なことも、
「へー」
「ちなみに一応射手についても説明しておくと、
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