第二話:冒険者ランク
「冒険者ギルドに加入しているデメリットはあるんですか?」
「
「私も同感ね。細かい話をすれば、冒険者ギルドで受領したクエスト中、非正規冒険者とパーティーを組めないっていう事はあるけれど、非正規冒険者でできる事は正規冒険者でもできるからメリットしかないわ。まあ、素行悪く行動したいとか、詐欺でも働きたいとか、そういう人達なら別でしょうけど」
「そう聞くと、非正規冒険者が悪い人に感じますけど……」
「そういうわけではないのですよ。ただ、非正規冒険者自体が、言うなれば自称冒険者という扱いでもありますので」
「自称冒険者……。なんか頼りなさそうですね」
「勿論、実力はあっても敢えて正規冒険者とならない人や、事情があって正規冒険者になれない人も多いけれど、冒険者ギルドを追放された人なども多いわね」
───
「冒険者ギルドの冒険者さんって、やっぱり何らかで格付けとかされているんですか?」
「ええ。冒険者ランクっていうのがあって、クエストを熟して一定の評価を得て、かつ試験で実力を認められればランクがあがっていくシステムになっているわ」
「ランク分けはどんな感じになっているんですか?」
「冒険者に成り立てのギルド加入者の最低ランクがFで、そこから順番にAまであがっていって、最高ランクは一応Sランクね」
「一応ですか?」
「そうよ。例外は私達聖勇女パーティー。魔王から世界を救った者として、唯一Sランクの上、Lランクを得ているのよ」
「Lって何か特殊ですね」
「皆様はレジェント。つまり伝説を示すランクにございますね」
「そうなんですか。すごいですね!」
「
「え? 和人お兄ちゃんってそんなにランク低いんですか?」
「そうなのよ。もうBには上がれる資格も持ってるみたいだけれど。ほんと、欲がないわよね」
「本当ですね。ある意味カズトらしいとも言えますが」
───
「ランクが違うと、実際に何が変わるんですか?」
「主だっては受領できるクエストと、冒険者としての信頼性でしょうか」
「そうね。ランクが高いということは、それだけの実力を認められている事。だからこそ受けられるクエストもより高難度のものが増え、その分多くの報酬を受け取ることができる。そしてそれだけのクエストを熟せれば、周囲からの信頼もあがり、それだけ多くの人達から信頼もされる。それこそさっきの話のように、国からの重要なクエストを任される、なんてことにもなるわ」
「へー。ちなみに今の皆さんみたいに、複数のランクのメンバーがいる場合はどう評価されるんですか?」
「そこは状況次第ね。私達なら主なメンバーは元から聖勇女パーティーであったLランクメンバーが多いわ。だからこそパーティーの評価はそれを基準に見てもらえることも多いけれど、一人だけずば抜けて凄いメンバーがいても、低いランクとしてパーティー全体を見られる事もあるわ。そういう意味で、どれだけそのパーティーで信頼を得ているかも大事にはなるかしら」
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