第四話:森霊族
「じゃあ次は
「承知しました。
「森で暮らすっていうのは、今もそうなんですか?」
「はい。勿論冒険者となる森霊族も増えましたが、どちらかと言えば森を守護する意識の高い閉鎖的な種族でもあります。今でも森に誰も入れないようにしている村も多いと聞きますね」
「アンナさんの故郷はどうだったんですか?」
「……はい。
「因みにキュリアの故郷、ライミの村も世界樹を守る迷霊の森でひっそりと暮らしているわ」
「へー。世界樹を守るって凄いですね。そういうのを聞くと、別の世界にいるって気がします」
「貴女の世界にはそういうお話はないの?」
「空想の世界でしたらありますが、現実にはさっぱりです。やっぱりこの世界って凄いんですね」
───
「そういえば、アンナさんは暗殺者、キュリアさんは万霊術師でしたよね。前衛と後衛の職が出来るという事は、人間同様に万能なんですか?」
「いえ。森霊族は天翔族に近いのですが、決して力は強くございません。その代わり、森の木々の上を渡り歩く身軽さ。そして自然との調和を重んじてきた中から得た高い
「ちょっと変わっているのは、術師寄りながら、魔術は苦手としている所かしら」
「え? どうしてですか?」
「魔術はこの世界の魔法でも、文明の成長のひとつと言っても良いの。古来から人類が研究に研究を重ねて生み出し、成長させた術。それは自然と共にあり、文明から離れて暮らしていた森霊族にとっては違う世界の魔法みたいなものなのよ。だから同系である付与術や創生術も苦手とするわ」
「逆に、光の力を得ると言われる聖術や、精霊の力を借りる精霊術は得意としますね」
「へー。ちょっと一癖ある感じですね。そういえばさっき、天翔族と同様美男美女が生まれる種族と聞きましたけど、本当ですか?」
「世間的にそう言われておりますが、確かにその印象は強くございますね」
「身軽さを売りに森で生活するからこそそう育つとも言われるけれど、ここは謎は多いわね。とはいえ、そのせいか大体皆細身ですらっとしているのだけど……」
「その割に、アンナさんもキュリアさんも、胸大きいですよね……」
「あ、あの。お二人共。その……胸をジロジロ見るのはお止めください……」
「あ、あら。ごめんなさいね」
「す、すいません!」
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