断章1968

黒田寛実

第1話 党を超えた明日へ

火焔を吹きあがらせる

私の血潮を捧げる

党という枷は外れつつある

奇蹟は起こるだろう

太陽が目の前

無数に散乱したビラもあった

積み上げられた机もあった

それは今日で終わるだろう

放水で濡れそぼった棟は

ノスタルジーの世界だろうか

あなたたちは忘れた

中指は心の中で立てると教わった

七本槍の気炎は老害だった

時代は葬送された

あなたたちは二度と闘えない

あの人たちは死んだ

生き延びた

惨めに

それだけだ

煙草の煙が漂うだろう


門に集まるヘルメットが見えないか

同志よ

時を超えてその時が

ついにこじ開ける日が


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