第3話 集結
12月21日、冠城が君嶋に話をしてから半年が経ち、君嶋が選んだ19人の霊能力者たちが集結する。
場所は鬼灯グランドホテルから15km離れた、少し広めの駐車場そこには集められた者以外誰もいない駐車場である。
君嶋は全員の目の前に立ち自身が集めた者たちに対して丁寧な口調で喋り始める。
「皆さんこの度は集まって頂きありがとうございますこれから我々はこの先にある鬼灯グランドホテルに巣くう悪霊たちを殲滅するべくそこに向かいます、皆さん、何か質問があればどうぞ気を遣わずしてください」
君嶋が喋り終えると君嶋の目の前に男が立ち君嶋に質問をする。
「哲子さんお久しぶりです、電話などでは連絡は取っていましたが、実際に会うのは10年ぶりですかね、お元気そうで良かった、いろいろ話したい事はありますが早速質問に入りたいと思います、我々はここに集められこれから悪霊を退治すると言うことですが我々のほとんどが面識は無い、哲子さんが考えられた事に反発する訳ではないですが、何の打ち合わせも無く行くのは無謀ではないでしょうか? それに我々がこれから向かう鬼灯グランドホテルはただの心霊スポットでは無いのです、哲子さんも承知の事でしょうが、あそこにはとんでもない化物がいます、それを連携も無しに戦うの相当なリスクを伴います、哲子さんが考えた作戦は我々をバラバラに配置しそれぞれが悪霊を退治すると言うことですがそれでは作戦では無く、ただ配置を指定しているだけであると思います、なので聞かせてください君嶋先生の考えを」
君嶋は頷きながら男の話を聞き、ゆっくりと男の質問に答える。
「まずはお久しぶりです、村山総山さん、あなたがその質問をするのは当然の事でしょう、本当ならもっと時間をかけ打ち合わせをした方がいいでしょう、ですが私が集めた者たちはそれぞれが悪霊退治のスペシャリストです、チームを組んでいる者もいれば個人で活動している者もいます、彼らにはそれぞれの考えがあり、無理に連携を取ることを考えれば足元をすくわれると私は考えています、なので元からチーム組んでいる者は、そこで連携をしていただきたい個人で活動する者は個人でやって頂きたいと思っています、なので私は事前に皆さんに鬼灯グランドホテルでの配置と担当区域を決めました、それと私がこの方々に依頼をした中には自身のやり方でやらして欲しいと言う方もいらっしゃいました、なので私は様々な方法を考えた結果この方法を取りました」
君嶋が
「皆さん他に質問はないですか?」
君嶋がそう問いかけるとしばらく沈黙が続き、篠崎陵が喋り始める。
「特に無いよ、さっきのあんたの説明で十分伝わったし、俺たちはそれなりの覚悟と準備をして、ここへ来てるんだよ、だからさっさと行って終わらせようぜ」
君嶋は篠崎の話を聞き頷くが君嶋の後ろに立っている、極円六真幻法院、幹部たちは篠崎の喋り方に腹を立て、篠崎のもとに行こうとするが君嶋が手を横に出し、首を横に振りながら無言で制止する。
その後他の者も質問する者はいなくなる。
そして各々、鬼灯グランドホテルへ行く準備をする、準備運動をする者や悪霊退治に使うであろう道具の点検をしている。
篠崎陵が準備運動をしながら立川隼人に話しかける
「なあ隼人どんぐらいいるか見えるか?」
「見えるぜ相当な数いるな、数えきれねぇよ、てか鬼灯グランドホテルってめちゃくちゃでけぇんだな」
鬼灯グランドホテルはバブル期にできた巨大ホテル、10階建てで地下3階である。
ホテル内部は何度も改築しており、かなり複雑な構造になっており、巨大迷路のようになっている。
その後バブルが崩壊し鬼灯グランドホテルは廃墟となってしまった。
「そっか数えきれねぇ程いんのか、いろいろ準備してきてて良かったな隼人……よし俺は準備出来たぜ隼人は?」
「俺もいつでも行けるぜ相棒」
そして君嶋は大型バスの前に移動し皆に話しかける。
「それでは皆さん準備ができ次第このバスに乗ってくださいホテルの前まで移動します」
君嶋がそう説明すると異様な緊張感が漂う中、続々とバスへ乗り始める。
20人を乗せたバスはしばらく山の中を走り鬼灯グランドホテルから1km離れた位置に停車する。
「皆さんここからは彼らの領域なので歩いてホテルまで行きましょう」
そして全員が鬼灯グランドホテルの入り口に到着した。
「それでは皆さんそれぞれ配置につき、悪霊退治を行いましょう、目標はこのホテルに巣くうすべての悪霊を退治する事です、そして全員が無事で帰ることですどうかご健闘を祈ります」
君嶋がそう言うと君嶋と極円六真幻法院の幹部3人以外の16人が次々とホテル内部に入って行く。
しばらくすると君嶋は幹部たちに話しかける
「それでは私達も行きましょう、作戦通り私達はなるべく強力な悪霊を退治しましょう、他の皆さんの負担を減らし、出来ることならこのホテルに巣くう悪霊たちのボスを退治しましょう」
幹部たちは頷きながら君嶋の話を聞きやる気に溢れてる。
「そうですね、彼らの実力は認めていますが、君嶋先生が彼らを集めた以上、我々が一番きつい役目を背負うのは当然の事でしょう」
極円六真幻法院、三重支部、支部長 伊勢明正がそう言うと4人はホテル内部へ入っていく。
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