第8話 本選
3回勝てば優勝。
優勝後には前回優勝者との対決もできるらしい。
まずはこの3試合をさっさと片付ける。
≪初戦≫
相手はゴリゴリの筋肉マッチョ。
近距離戦に強そうだなあ。
できるだけ距離は取った方が良いだろうか。
相手も予選を勝ち抜いた強者。
自分が何だろうと油断はしない方が良いだろうか。
様子を見るのもありだが、初手から詰めるのもアリだ。
手の内は隠しておこうか。
昨日いくつか試した技もある。
一回、ローブの時みたいにかましてみるか。
ローブより大きめの力で、腹へ入り込み、一発あげる。
この感じだと、あばら何本か逝った気がする。
さあ、まだ立てるか?
マッチョ「ぐぁあ、これは重い一撃だなぁ。
しかぁ~し、この程度で俺はやられたりなどせんわ!
こんな攻撃、何回でも受けてやるワァ!」
よくいうぜコイツ。
さっさと潰してやるよ。
さっきの倍の力を使おう。
速度は3倍。
瞬きするうちに終わらせてやる。
シュッッ
まぁ、反応されないのは当然だろう。
さっきの攻撃すら防げないんだから。
さっき殴った場所を3回殴った。
さっきの倍の力で。
これで立ったら大したもんだが・・・
マッチョ
「ッぐはぁッ・・・」
血を吐いて倒れた。
殺しはしていないから問題ない。
こうして初戦をあっさりと通過した俺は、二回戦も隠し玉を使うことなく通過した。
そしていよいよ、決勝の時
ここでも当然勝つ。
隠し玉も必要に応じて躊躇いなく使うつもりだ。
この後に控えているかもしれない前回王者との闘いは一旦置いておく。
相手は、剣士か?
剣士
「俺はぁ、この国一の騎士であるバゼルの弟子、ガレンだ!
我が師の前で今、お前を倒す!」
はぁ?
こいつ舐めたこと言ってやがんなぁ。
俺をたおすだぁ?
・・・いいぜ、こっちもこっちでやってやるよ。
隠し玉その1を使う。
これは技というほど複雑なことはしないが、意外と効果はあるかもなあ。
俺のお得意の、雲をつぶすときのあれ、込める力が弱くてもそれなりの威力が出るし、試してみるには丁度良い。
「そうかそうかぁ。
・・・やれるもんならやってみろよこの野郎。」
拳を名前目掛けて突く。
もちろん。手が届くようなところにあいつはいない。
だが、・・・
ここに針のように鋭い竜巻みたいなのが発生する。
雲のやつと同じだ。
これを繰り返す。
転生後すぐに間違って発動したお陰で威力は確認済みだ。
木ぐらい余裕で叩き折る。
それを何発もあいつに打ち込む。
さぁ、どうだ。
ガレン
「はッ、はッ、はァァ!」
切ったか。
さすがに決勝まで来ただけはある。
口だけではない。
だが、まだ全力の5割も出していないんだよ。
7割まで引き上げる。
「ッくぅッ」
さすがにこれは厳しいみたいだ。
たった一発でもまともに当たれば致命傷だからなぁ。
防衛を無視するわけにもいかないだろう。
このまま続けても勝てるが、どうしたものか。
このまま押し切ってしまっては面白みがない。
ちょっと遊んでやる─
「がハッっ」
何だ?
どういうことだ。
何が起きた。
どうして俺が倒れこんでいる。
ガレン
「あなたの攻撃にはムラがある。
まるで初めて攻撃をしたかのような。」
コイツ─
ガレン
「だからここで、お前は俺に負ける!」
俺が本気じゃないことを知って言っているのか?
頭に来るなあ。
いいよ。
もう。
本気でやってやるよ。
その口、二度と開けられないようにしてやるよ。
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