第4話 準備 〔後編〕
「今の俺なら何でもできる気がする!
先生、まずは何から始めていきますかー?」
リーノア
「うーん、とりあえず魔法と魔術のそれぞれの基礎は教えますが、明日が武道会なので、どちらかといえば魔法、魔術に対しての防衛を教えようかなあって思います!
まずは魔法なんですけど、とりあえずマナを感じて頂きたいと思っています!」
「うおお!ついに俺が魔法の世界に踏み込むのかあ!!!
ちなみに先生!どうやってマナを感じるのですか!」
リーノア
「私たちエルフにとってマナを感じることはとても簡単なことです。
エルフ目線で言ってみると、マナの匂いを感じられます!
こう、場所によって空気感って感じるじゃないですか。
その中にマナの匂いが紛れているのを感じられますか?
鋭い人なら味もわかるとか。」
「・・・うーん。」
・・・。
イマイチだなぁ。
匂いかぁ。
あ、これ他の感覚器官遮断してみるか。
耳閉じて、口閉じて、目を閉じる。
残った鼻が、研ぎ澄まされる。
暖かいような
ぬるいような
・・・
あ、
わかった。
途端に周りが明るくなった。
目は開けていない。
きっとこれなんじゃないかと思う。
目を、開ける。
うん。
確かに何かを感じる。
「わかったかもしれないです。
匂いとか味はあれですけど、光のようなものが見えました。」
リーノア
「そうですか!
凄いです!こんなにあっさりと上手くいくとは思っていなかったです。
でも、マナの光が見えるなんて話は聞いたことがないですね。
まぁ、マナの感覚がつかめれば大丈夫です!
呑み込みが早いので、予定とは外れるんですけど、マナの楔の行使の段階に移ります。
今感じてもらったそのマナを、自分の目的の為に使います。
そうするためには、マナの楔を使う必要があります!
これに関してはとても教えにくいんですよねぇ。
私たちエルフ族はマナに好かれているので、この辺は感覚でこなしている範囲なんですよね。」
「なんとなくできる気がする・・・!」
感覚を閉ざす。
光を探す。
感じる。
これを、
俺が動かす。
俺のものにする。
俺に従わせる。
俺が使う、纏める、支配する
俺が、俺が、俺が・・・
グワァァァン
リーノア
「え?え?何ですかこれ⁉
こんなの見たことないですよ?
え、えっ、えっと、と、止めないと、」
周りの光が俺に従ってきているような気がする。
光が俺に寄ってくる。
リーノア
「え、えっと、
す、ストップー!」
何だ・・・
光が、俺が支配していたのに
全て、消えていく
いや、そうじゃない
他の所へ、向かってるんだ
どこへ・・・
リーノア
「ち、ちょっと待っててね!
私が何とかするから!」
サァァァァ
「ッはァ、はぁ、はぁ・・・」
何が、、ど、どうなった。
リーノア
「大丈夫ですか⁉」
「だ、大丈夫、だと、思う・・・」
リーノア
「な、なんかすっごいヤバいのがぐわぁって来てたんで無理やり止めました!
ほんとに無理やりなので体のどこかに支障とかがあってもおかしくないんですけど、
普通の人なら何らかの後遺症が残ると思うのですが・・・。
さすが武道会の目玉ですね!
これに耐えられるなら予選なんてへっちゃらですね!」
「ち、ちょっと疲れ、たというか・・、疲労が、すごい、です・・・!」
なんだ、ったのか、今のは、。
確かに、マナ、を使役でき、ていたはず、
それに、あの、光が俺から逃げて行ったのは一体・・・
ドサッ・・・
リーノア
「あぁ、やっぱり、
さすがに疲労がたまりすぎましたか・・
とりあえず、一命はとりとめたからよしとしましょう!」
俺はどうやら眠ってしまっていたそうだ。
夕方に目が覚めたら、リーノアさんが僕の手を握りながら眠っていた。
きっと、看病をしてくれていたのだろう。
とりあえず、明日は武道会だ。
最高の準備、とはいかなかったが、良い時間を過ごせた、と、思う。
リーノア
「あ、起きましたか!
良かったぁ。
眠っているのは分かっていましたが、このまま目が覚めなかったらどうしようかと思っていました!」
「ご心配をおかけして申し訳ありません。
足を引っ張ってしまって・・・。」
リーノア
「だーいじょうぶです!
その代わり、お返しは、武道会の結果で返してくださいね!」
「はい、必ず一番になってみせます!」
リーノア
「頑張ってください!
応援しますよ!」
ほんとやばいまじ惚れそう。
明日のことも考えた結果、今日はこのまま夕飯を食べて、少し散歩して、リーノアさんとお話ししてそのまま寝た。
リーノアさんには感謝しかない。
この恩は、明日、明後日で必ず・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます