第54話 謎の男の不満(1)

「アリちゃん、何、その言い方はぁ~? 俺はわざわざ、アリちゃんを選んでここへ来てあげたのに~。その言い方はないとは思うぞ~?」と。


 まあ、前回の話しの続きになるのだが。小汚い小男は、己が深くかぶる頭巾の奥から、ア・リシャーの事をジロリ! と睨みながら不満を漏らしてきた。


 でも彼の未だ怒りが収まりきっていない目と瞳を見れば分かる通りで、小汚い小男はア・リシャーに向けて不満を吐く。


「俺はね、アリちゃん! 最初に君の顔と、その巨大な俺好みのオッパイを一目見て『おお~。俺の新しい、嫁にするのはこの子しかいないと思ったんだよね~」と。


 だからドンだ! 小汚い小男の目の前で、机が叩かれた……ではないようだから。


 自身の机を叩くポーズで、ア・リシャーの身体は固まり。『? ? ?』となった彼女は、自身の小首を可愛く傾げる。


 だけどア・リシャー以外の者達はある場所を見詰めて、(あれ?)、(あら?)、(大変)、(クス)と鼻で笑う者や、(あら、可愛い)と思う者達が多々出る。



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