第46話 ア・リシャーは憤怒したい! (2)
「ゴホン!」と、ア・リシャーの後ろ、後方から空咳が聞こえてくる。
だからア・リシャーは(えっ!)と当たり前のように思う。
「クス」
「クスクス」
すると空咳の後には、ア・リシャーを嘲笑うような小さな笑い声まで、彼女の耳へと聞こえてき始めるから。
ア・リシャーは自身の顔色を変え、(えっ! あっ! 不味い。どうしよう?)と思いつつ、動揺を始めだすから。
ア・リシャーは真っ赤な顔で、照れ恥ずかしそうにしながら下を向く。
だから男はア・リシャーの様子を見てケラケラと笑い始め。「ほらね」と、彼女の事を侮るように告げてくるから。
ア・リシャーは、『キィ~!』、『うぎゃ、あああっ!』と、憤怒する訳だから。
『あなた~。いい加減にしなさいよ~! 私を誰だと思っているの~? これでも私は一応は貴族の娘なのだから。本当は貴方のような貧困層の人では会話もできないような立場なのだからね! プンプン!』と、憤怒しながら小汚い小男へと不満を告げる事は、冒険者組合・ギルドの受付嬢をしているア・リシャーはしないから。
「はぁ~」と彼女は、疲れたような嘆息を大きく漏らし。
「はい、申し訳御座いません」と。
別にア・リシャー自身が悪い訳ではないのだが、彼女の立場は常に沈着冷静でいないといけない冒険者組合・ギルドの受付嬢……。
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