第15話 冒険者組合、ギルド(5)

 それでも彼は、この冒険者組合・ギルドのお姉様達から注目を一斉に浴びようとも男は、お構いなしにキョロキョロと奥を観察……。


 そして完全に、自身が納得するだけの観察量を終えると。


 ふぅ! と一息……。安堵した表情をすれば。


 今度はみすぼらしい男は、自身の口の角をニヤリ! と吊り上げ──。また観察を始めだすのだ。


 それも今度は、構内の奥ではなく、窓口……。


 世界中から厳選された賢い美女達へと注目──。


 そして男は、自分の立場を顧みず。


「う~ん、どれにするかな?」と。


 自分は呻り、考える人になりながら、美女達の厳選を始めだすから。


 この男、本当にお頭の方は大丈夫なのか?


 自分の身分を弁えろ!


 あの窓口に座る美女達は、世界中の貴族の令嬢様達で!


 お前のような身分の卑しい者が、好みを選り、選びするような、お嬢様達ではないのだ。


 それに卑しい男!


 お前は日雇いの仕事を探しにきたのか?


 それとも? 冒険者になりたくて、この冒険者組合・ギルドにきたのかはわからないけれど。


 先ずは仕事! 依頼! を決めてから窓口へと行け!


 それがこの冒険者組合・ギルドのルールなのだから、男よ! ちゃんと社会のルールだけは守れ! と言いたい衝動に駆られるけれど。


 こちらの声は男には聞こえないと思うから、憤怒するだけ無駄な事か、と思えばね。






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