飯田のグルメ日記
モン・ブラウン
第1話 飯田と運命の餃子の出会い
餃子との出会いはある意味奇跡に近かったような出会い方だった。
ある休みの日、コンビニに立ち寄った帰り道にその出会いはあった。
テクテクと歩いていると前から杖のついたおばあさんが「すみません」と声をかけてきたように聞こえたのだ。
あまりにもか細い声だったので聞き間違いかと一度聞き流したのだが、もう一度聞こえてきたので気づいたときには「どうしましたか?」と声をかけていた。
そのおばあさんは餃子がどうしても食べたいけれど土地勘がないので、この辺りで餃子が食べられるお店はないかと俺にきいてきたのだ。
あいにくこの辺りにはチェーン店の餃子しかなく、そちらでもいいかですかときいてみる。
俺はそのチェーン店の餃子は食べたことは数回あるが、昔のことすぎて味は覚えていなかったので人にすすめるのを躊躇ったが、この辺りではあいにくそこしか餃子を出しているお店がなかった。
おばあさんは目が悪いらしく、近くになにがある?とか道を曲がるときに目印になるものはありますか?と聞いて来た。
道を案内するのが不慣れな飯田はどうせ家に帰るだけだし、時間はたっぷりとあるためお店まで案内することに
おばあさんの歩調に合わせてテクテクと喋りながら歩いていく。
歩いて5分ほど目的のお店に着いた。
「着きました。ここがお店ですよ」
「ありがとうございます」
「では、、また…」
「お兄さん、ご飯はまだ食べてないの?よかったら一緒に食べないかい?」
飯田はここで帰るつもりだったが、そのおばあちゃんから食事に誘われた。
いつもだったら見知らぬ相手とは食べないし、誘われても断るのだが、おばあちゃんがあまりにも愛おしく感じてしまい、一緒に食べる事になった。
チェーン店とはいえお店の中は5席しかなく、昼時なのに、混んではいなかった。ラッキーだ。
注文は飯田は餃子セット、おばあちゃんは餃子単品のみ頼んだ。
餃子セットはご飯とお味噌汁、餃子のシンプルなセット。コストもリーズナブルだ。
餃子は目の前にある鉄板で蒸し焼きにされており、焼き立てをそのまますぐに提供するスタイルだ。
火傷しそうなほどアツアツでジューシー
かつてないほどうまい餃子だ。
自分で焼こうとしてもなかなか表せないパリッと感も良いポイントだ。
この餃子はもちろん白米にもあうので、お腹も空いていたこともあり瞬く間に平らげてしまった。
とてもシンプルな定食だがお腹もいっぱいになり大満足だった。
おばあちゃんも焼きたて餃子はひさしぶりに食べたと喜んでいた。
さまざまな餃子を食べてきたが、シンプルが一番おいしい。
チェーン店だからと避けてはいたが、行ってよかった。
お礼を伝えておばあちゃんとは別れてたのだが、おいしい餃子に出会えたので誘ってくれたおばあちゃんに感謝だな。
良いことをしたこと、おいしい餃子に出会えてよかったなと思った飯田でした。
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