第127話 交渉
その場に現れたのはスーツを着た役人と政治家、警察官、報道陣だった。
まずはリナの事を話し、人物照会をして貰う。ついでに俺もだ。
収納から出したスマホを見て型式から骨董品と分かり、人物照会をすると俺が救世主の父親と判明した。
ゲートについて説明し、数日以内に閉じないとまずいとの認識がお互いにあった。
ゲートを閉鎖する事で直ぐに同意を得られた。
2日後閉鎖する事にし、人員交換でお互いの世界を見て回る。
前回の騒ぎで長くゲートが開いていると地球が歪みかねないと分かっていて、タイムリミットを設定した。
俺は墓参りを中心に回る。
俺達の世界はカナロアが付いて案内してくれた。
時間がなく、物の交換や購入をする。
主に俺の収納にある物が数百億円程になるらしく、俺は娯楽の為のテレビ関連、映画や音楽、各種書籍、設計資料を頂く。個人的にはトイレットペーパーとティッシュを数百年分用意させる。
また、収納にある死体等を引き渡した。
話は怖い位にトントン拍子に進み、テレビに出演したりと忙しい。
これはこの世界に残るリナの為だ。
書籍を優先で貰うようにして、どんどん収納に入れていく。
向こうの文明レベルを上げるのが目的だ。
また、リナの両親も駆け付け、感動の再会を果たした。それと俺のご先祖様の墓参りや、 親戚一同と写真を撮っていたりと寝る暇もない。移動中に仮眠を取るだけだ。
妻達は大人気で特にエルフのミザリア、獣人のイリア、ミリアは尋常では無い程に人気者となってしまった。フィーバーだ。俺の妻だという事は伏せておこう。人妻だと知ったらショックはでかいだろう。
書籍は問題が発生した。データで貰えるのだが、印刷物で渡すのが困難だった。
既に電子ペーパーばかりで、紙へ印刷は殆どしないのだとか。
時間の関係で大量の紙とプリンターとトナーやインクの代わり等を仕入れ、自分で印刷と製本をするはめになった。
趣味で紙で印刷をしたのを欲しがる者や、建物の図面は紙で印刷して保管をする事だけは続いていた。
ムネチカとエルザ、フランカは地球の進んだ文化を見て終始驚いており、こちらで服を買うのだが、やはり生地の違いからカルチャーショックが大きかった。
魔道具と魔石だけは両陣営の同意で持ち込みを止めた。
こちらの世界で魔法を使うと魔力は補充されず、魔力はゲートを通じて向こうに戻る。万が一ゲートが閉じた後に、魔力が地球にあるとどうなってしまうか見当が付かなかったからだ。
俺達はリナとお別れをする事になったが、皆納得していた。
本来すべきではないのかもだが、農作物の種子や苗、各種苗木を渡し合っていた。桜は真っ先にに指定した。勿論フルーツや各種種子も。
こちらの特産品も渡した。植物については検疫後育てるか、破棄をするかお互いが自己責任で決める。
そして待望の米だ。
種子と精米を大量に買った。
また大豆もだ。
交換しなかった物もある。動物だ。遺伝的に影響が大き過ぎて、2日程度では検証しきれないとなったからだ。
忙しい1日だったが、翌日は総理大臣と面談したりと更に忙しい日を送る事になりそうであった。
因みに遺伝子の関係でヒューマン以外の採血すらやめていた。僅かな細胞からクローンが作れるのだが、万が一混血などしてしまうと地球全体に影響を及ぼすからと、慎重に物事を進めるのであった。
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