第122話 ホーム

 リナを救った事以外に特にイベントもなく、帰路は順調に進んでいた。道中リナからこの100年の歴史を教わっていた。


 駄目だと思いつつ、俺はリナを好きになってしまった。勿論ストイックに。

リナは俺の血縁者の可能性すらあるのと、彼女はまだ経験がなかったので、綺麗な体のまま日本に返そうと理性を総動員だ。しかし、旅の途中抱き合う事があった。ハグの方だが、やはりずっと感謝していて、レイプから救った為に思わず抱きついてきた感じだ。

 彼女の中で俺は絶対的なヒーローになっているのだ。


 順調に進んでいたのだが、折角だからと観光をしながらになったので、帰るのが少し遅くなった。


 久し振りにと言っても数日の事だが、王都に無事に着いた。行きは波乱万丈とまでは言わないが、かなりの戦闘があったりはしたものの、戻りはリナの事以外は特に何もなかっので拍子抜けしていた。


 念の為、リナには戦闘で役立つスキルを与えていた。かなり余っていたから多少あげても大丈夫だ。


 夕方に町に着いたので、今日は宿に泊まる事にした。

 城へは翌日になってから、帰投した事の報告をした。

 翌朝早々に城へ赴いたのだが、国王は謁見中だったにも関わらず中断して向こうから来てくれた。

 トイレに行くと偽り、小休止するとして離席していた。

 その為簡単に報告し、詳細は夕食時にとなった。ただ、リナの事はある程度伝えておいた。


 以前屋敷を建てたいとぼやいていたのだが、土地を用意してくれていた。


 案内人を呼びつけてくれたので、頂ける土地にその案内人を伴って向かう。

 貴族街の中でも1番高級なエリアに100✕100m位の広大な敷地を用意してくれていた。既に給水と下水の管は準備してあり、整地も終わっていた。後は建物を出すだけだ。


 配管工事が出来る職人を手配して貰ったが、それまでに我慢出来ずに早速屋敷を出して配置する事にした。いつの間にかゲットしていた土魔法の中に、丁度よい魔法があったので基礎の土中部分になる所を整地していった。


 どうしたいか念じると出来たのだ。寸分違わず整地していて、建物のレベルはちゃんと合っていて、不陸もない。

 ただ、配管の接続は俺には出来ないので、屋敷は仮設置にした。


 急いで職人に来て貰い、急ぐ為床を剥がし配管を繋いで貰った。その修繕は後日になるが構わなかった。

 ただ、給排水が繋がったので、これで住める。

 イリアとミリアが屋敷を見て泣いていた。


 超絶美少女の喜ぶ姿に俺の心は高鳴った。嬉し涙はアリアリだ。

 約束を果たさなけれなのだが、まずは彼女達に屋敷を案内して貰った。幸い彼女達の部屋は多少荒らされている程度で、健在だった。


 俺は両親が使っていた部屋を使って欲しいと言われ、俺の部屋とした。皆にも空き部屋を割り当てていく。 


 暫くは荒れ果てた屋敷の整理に追われそうだった。


 その間にメイドや執事を斡旋して貰っていた。

 金は心配なかった。稼いだ金は10年は心配ないのだ。いざとなればミザリアが稼いでくれる。そう鬼交渉だ。


 そして実際のところ、屋敷の整理や庭の設計に追われていた。屋敷に詳しいのはイリアとミリアだから、打ち合わせは全て2人が同席してくれていた。


 2人が久し振りに活き活きしていた。俺はというと、穢すじゃなくて、娶る日は近いよなとウズウズしていたのであった。

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