第79話 城に到着
昼頃にミリアに起こされた。
寝惚けていてキスをして胸をまさぐってしまった。
イリアに頭をおもいっきり叩かれ、はっきりと覚めた。
「いたたた。何があった?」
「いえ、もう少しでお城に到着なので起こしただけですわ。あの、私のお胸はいかがでしたか?」
「城に着いたのか。胸がどうしたって?違和感があるのか?見せてみろ」
いうやいなや即服をめくり触診を始めた。奴隷として買った時に治療したが、不完全だったか?あれ?少し大きくなったか?ひょっとして成長痛か?
またもやイリアに叩かれた。
「何をやっているの?さっき寝惚けてミリアの胸を揉んでいたのよ!だから感想を聞いているのよ!この腐れアンポンタン!」
「す、すまん。寝惚けていたのか。感想って何か違和感が有ったからじゃなかったのか・・・今触診したが特にしこりとか、違和感はないぞ。それより少し大きくなったか?」
「は、はい。少しだけですが。やはりまだ駄目ですか?」
「顔付きとか子供だぞ?まだまだだな」
しゅんとなっているミリアの頭を撫でながら外を見ると、どうやら町に入ったようだ。服がきつくなったのか?確かに2人共胸元がきつそうになっている気がする。しかし、それを聞いてきているのがコドモの証拠だというのを分かっていないな。
ちなみにこの寝台車は上段と下段に別れていて、俺達は下の方だった。立てないが、正座位は出来る。
高さはあまり無く、カプセルホテル程度だ。
一応急いで身支度をし、イリアとミリアの髪を軽くブラシを通してから顔を拭いてやる。全く世話の焼けるおこちゃまだな。しっかり寝たからか、気分は良い。昨夜のような沈み込みや感情の起伏はなりを潜めている。
そうしていると城に着いたようで、そのまま中に通されたっぽい。
寝台車の扉が開かれ、外に出るとそこは練兵場のようであり、馬車はそこまでだった。
騎士達に案内されて、貴賓室?に通され、少し休憩をしたりトイレを済ませておいて欲しいと言われる。
当然皆トイレに駆け込む感じだ。我慢していたからね。
服を敢えて戦闘用に着替える。多分これから会議か何かが有る筈だから、それに備えるのだ。
暫くするとエルザが騎士を伴い迎えに来た。
エルザは平時の騎士の制服姿だ。先程迄の軽装とは違い、凛として見惚れてしまう。ミザリアとタメを張れる美貌だ。確か二つ名持ちだったよな。ひょっとして俺にもあるのか?
それはそれとして、フランカと並べると男女の区別が付かない位の格好良さだ。
正に男装の麗人だ。但しエルザの胸は、彼女が女である事を強く主張している。
少ないが女性の騎士も居るといい、女性と男性の違いは制服の右肩に着ける装飾が赤色だと言う。鎧を着ていると分かりにくい。冒険者の鎧は露出が多いから分かるが、騎士は違う。
冒険者は動きが制限される鎧を嫌う。特に女性は筋力の限界から胸やお腹を守る為に露出が多くなる。流石にビキニアーマーはネタ装備だが、一般的に近接戦闘をこなす細身の女性は谷間が見える軽装鎧を装着している。胸〜ミニスカ状態のだ。
お腹〜股間をカバーし、革のズボン、革製の籠手や手甲と軽装が中心だ。魔法使い系は厚手の素材で作られた服だ。
但し騎士はフルプレートアーマーを着る為に機動力に難があり、主に式典用だ。実用性は低い。勿論ゴリラ女的なムキムキは別だが。
因みにフランカに赤い装飾を着けさせたら、知らないと女性の騎士に見える。
俺達が着替えた姿を見てエルザは大層驚いていたのと、胸を撫で下ろしていた。
会議室か謁見の間と思われる部屋に通されるかと思ったら、意外や意外食堂だった。
国王は不在で、変異が発生したと思われる国境方面に兵を進めていると、食事をしながら第1王子が説明していた。
国王自らが赴くのはしきたりだそうで、変異が起こるとどこの国も国王自ら援軍を率いて赴くそうで、第1王位継承者が国王代理を勤める。
どうやら変異は俺を召喚した国で発生したようだ。
因みにこれができないと王は引退せざるをえないらしい。
そして、変異中は戦争を禁じ、破った国には他の全ての国が連合を組んで、戦いを挑む。
どの国も連合軍には叶わないから、厳守事項だ。
食事は軽めに作られていて、パン、サラダ、スープだった。
食事の後は会議室で現状のブリーフィングと、出発の準備、その後即出発と大忙しだ。もっとも準備された物を俺の収納に入れるだけだから、日持ちのしない食料以外は外に出されている。
そして食事を終え、会議室に向かうのであった。
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