第77話 悶々と

 どうしてこうなった?

 今は町に入ったのだが、裸の美女2人と沐浴中なのだ。


 休憩と護衛の入れ換えの為、本来泊まる町で食事と水浴びをする。囲いをして女性陣が代わる代わる周辺の番をする。

 そして今はミザリアとエルザが裸で俺に背を向けている。俺の体は正直だ。でも真面目に頭からお湯を掛けている。前を向かれると流石に理性が飛ぶからと言い、背中を向けさせた。


 裸を見られるのは恥ずかしくないと言う。冒険者をしていると、仲間の前で着替えたりする事もあるからだと。冒険者の不文律というのがあるのだが、俺は持ち合わせておらず恥ずかしくもあるが、性的に興奮していた。だが、とあるスキルのお陰で息子さんを寝かし付ける事に成功していた。出来ました!


 汗で汚れた体は汚くて嫌だと、俺に裸を見られるのはもう夫婦だから問題無いとミザリアが言う。ミザリアは分かるが、何故かエルザもいる。彼女も俺が紳士でこういう状況でエロ目線で見ないと聞いたからか、スッキリしたいと言っていた。男としてそれはどうなのかなと思わなくはない。

 だがしっかりその可愛らしいお尻を堪能してる下衆なのだが、何故か俺の周りの女性陣には俺が希代の紳士であり、性的な事に対して、あり得ない位に理性を保っている、そういう認識だ。時に物足りないらしいが。変異が終わるまでの我慢だ。


 イリア、ミリア、ムネチカも沐浴だ。

 彼女達を洗った後は俺自身も沐浴と下着を洗う羽目になった。


 途中で下着を捨てるか?とついつい思う。


 そして収納持ちの利点で、着替えた後の服は袋に入れてから収納に入れた。

 洗濯が出来る所に行くまでは収納に入れるのだ。やはり捨てるか燃やすか?


 残念ながらこの世界にクリーン魔法が無い。正確には所有者が現れた記録がないようだ。小説とかでよく出てくる体の汚れを取る超便利魔法だ。うーん、欲しかった。


 最後にフランカに頼まれたので、樽に湯を入れておいた。またもや誰も入れないでと懇願されたのだ。理由は変異を経験したら話すから今は聞かないでと、まあいつもの事だ。

 樽にたっぷりお湯を入れたから体を洗えるだろうと。


 女性陣が俺の前で肌を晒して沐浴するのは、信頼されている以外に俺が魔法で出すシャワーの虜になっており、エルザも体験したかったのだと。

 そしてスッキリした所で出発する。あま、沐浴は短時間だが、年頃の女性にとって汗を流し、体を綺麗にする方が食事よりも大事だったので、俺達は寝台車にて弁当を食べていた。

 そう、休憩時間は食事ではなく沐浴に費やしたからだ。馬の繋ぎ変えと、馬車の点検をする時間が休憩だ。ミザリアにシャワーをお願いと言われて断れる筈がないのだ。


 俺は相変わらすへたれだ。

 ミザリアとは最早夫婦だが、まだ手を出していない。尤もらしい理由で先延ばしだ。経験がないからその時にうまく出来なかったらどうしようか?としょうもない事をつい考えていた。いや、昨晩直前で止めたのだ。身籠ったら今は大変だと。だが、それはあくまで変異が終わるまでだ。


 そして何故か寝台車にてミザリアとエルザに挟まれ悶々として固まってしまっている。

 どうやらスキルの力で口説き落としてしまったようだ。あくまでスキルの力だ。


 彼女に運命を感じ、本気で口説いた結果だ。

 ミザリアが張り合っており、2人が俺の腕に胸を押し付ける。シャツ1枚で上は下着を付けていない為、ぽっちの感触をダイレクトに感じる。夜通し悶々となり、しかも生殺しだ。胸の感触が気になってしまい結局寝られないまま、次第に明るくなっていくのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る