第66話 防具ガチャ

 皆がドラゴンの幼体をちやほやしていた間に、俺はガチャを改めて確認した。


 そうすると見落としていたのか、前から有ったと思われる防具ガチャが有った。風呂に入る前に見たのは最近始まった分だけで、その時は大したのがなくため息をついていた。だが、終わった分より前からあるのを遡って見ていたのだが、終わった分に埋もれているのがあったのだ。


 常設UR華キャラ専用防具確定ガチャ!

 魔石のランクで防具ランクが決まる!

 ドラゴンの魔石にてあなたのUR華キャラ用のUR華防具が確定で入手可能!


 Sランクの魔石でUR防具が確定で入手可能!


 このチャンスを見逃すな!


 解説を見ると、グリフォンの魔石等のAランク以下の魔物の魔石だとだとSR~URが一定の確率で出るそうだ。魔石のランクが高い程高ランクの防具が出る率が上がる。


 ただ、先のガチャとは違い、同一の装備品を重ねてアップグレードできない。なのでドラゴンの魔石は特に貴重なのだ。


 俺はムネチカ、カナロアの2人と話し、どちらがハイグレードにするかを決めて貰った。ただ、近接戦闘特化の為、常に近接戦闘を行うムネチカにとあっさり決まった。


 ドラゴンとハイグリフォンは確定ガチャなのだが、グリフォンの場合、SRからURのガチャだ。魔石のグレードが落ちれば、開始グレードと最高グレードが落ちる。


 ガチャを回して出た玉を対象者が開けると、対象者用武器が出て、対象者以外が開けると対象グレード者用の防具がランダムに出る。


 盾とかは装備できるが、鎧は偶々サイズが合わなければ装着出来ない。


 確定ガチャなので、高ランクの魔石分は心配ない。


 先ずはカナロアのだ。ハイグリフォンの魔石を取り出し、ガチャを実行だ。グリフォンの中に混じっていたのだ。


 出てきた玉をカナロアに渡し、早速開けさせた。


 出てきたのはURの盾だ。

 カナロアは泣いている。

 そう、あのギターと瓜二つで、中身がグレードアップしているという。


 次にムネチカの分だ。

 ドラゴンの魔石にてガチャを引く。


 ムネチカが開けると絢爛豪華な鎧一式が出てきて、その鎧はセクシーさはないので俺はほっとした。

 専用防具の鎧は念じれば具現化し勝手に装着され、念じれば消えるという超便利なアイテムだ。


 ムネチカの鎧は清楚な感じで気品すら感じる。


 そのデザインと内容にムネチカは震えていた。専用装備の為かなり動きやすいのだ。


 続いてカナロアの鎧を期待してグリフォンの魔石を全て使う。


 SRが4回出て諦め掛けていたが、5回目で見事にURが出た。カナロアがカプセルを開けると、出てきたのは高耐久の服だ。鎧を兼用していて、服のごとく軽い。これで揃ったのだ。


 俺は開けなかった玉を開けてみたが、盾と籠手、ヘルムが出てきた。


 籠手は左右1つずつで、偶々ペアが揃った。女性用の気品あるデザインだ。盾は俺が使える超軽量で、縦1m位の大盾だった。これで防御力が上がる。もうひとつはヘルムだが、ゼツエイに合いそうないかにもドワーフのといったデザインだ。


 様子を見ていたフランカが試しに籠手を嵌めたのだが、ぴったりだった。

 細身で女性用のが合ったのだ。

 デザインは彫刻された花が散りばめた女性が喜びそうな上品なのだ。


 フランカは軽量で満足していたが、女性用に見えると言うと、特に気にしないという。まあ今更だよな。

 散々女装させているしな。


 ゼツエイも兜がピッタリで、更に軽く気に入ってくれた。勿論防御力も上がっている。


 他のはまた後にし、今日はお開きとなった。


 ハインとシロは雑食で、何でも食べそうだった。

 寝る時は俺とミリアの間にハインを挟んで寝る感じだった。イリアとの間はシロだ。

 因みにこちらの言葉を理解出来るので、排泄は問題無かった。キュイ~としか鳴かないので、トーン等で判断しないとだ。


 しかし、後に回すと決めていたガチャをこっそり回す友安の姿をミリアはただただ、そっと見つめるのであった。


 「男の子ってこういうの好きですよね。うふ。可愛いわ」


 そのように呟き、ハインを撫でながらミリアも眠りに落ちるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る