第34話 出発
宿を引き払い、まずはギルドへ向かう。
今の俺は両手に花である。奴隷から開放した双子が俺と腕を組み、がっちりとホールドしており離そうとしない。
ひたすら感謝をされ続けており、好きだのお嫁さんにしてくれだの、段々エスカレートして今晩の世伽の相手をしますだのと言い始める始末だ。
流石に適当に躱すし一時的な事だと分かってはいるが、流石にドン引きだ
「はいはい、分かりました。俺はイリアもミリアも大好きだけど、18歳になるか、俺のこの手でちゃんと揉める大きさの胸にならないと嫁にしてやらんぞ」
そう言うと2人はぷんすかになった。
「デリカシーの無い女の敵!喰らいなさい!」
そうやってグーパンチが飛んでくる。今までは奴隷だった為、軽い平手打ちが精一杯だったが本気で殴ってくるので、俺は躱しつつ胸をぺちぺちと触ってやる。
「ほら殆ど無いじゃないか。まだ子供なんだから背伸びはするな。いくら俺好みの美人さんでも子供は抱けないんだ。俺はロリコンじゃないからな!つまり、幾らお前らが美人でもな、大人になるまでは子供扱いだからな」
俺は子供扱いするが美人を連呼してやる。この2人は俺が美人と言ってやると、しおらしくなり満足するのだ。本当に綺麗な子なんだよな。変態の毒牙にやられず良かったと思っているが、友安は周りからロリコンの変態に見られているのだが。しかし、この2人は時々ドキッとする位大人びた表情をする。そんな時は不覚にもドキッとして見惚れてしまう。それは内緒。でも尻尾は最高だ。思わずプロポーズしそうになった事が何度有る事か。
心配なのはミザリアの嫉妬だが、彼女からするとこの2人の事は、俺を共有する妻達になる者として受け入れているとか言っていたのを何時だったか、寝ていたか気絶している時に3人で話し合いをしているのが聞こえたような気がしていた。なので今は大人の余裕からか、2人をほっこり見つめているだけだ。ミザリアは一言で表現すると俺の理想の女神様だ。エルフ万歳!エルフは正義!エルフはパーフェクト!
こんな感じで今の俺の頭の中は、来たるべく変異の事が1割、残りは3人の事ばかりを考えているしょうもない男である。
そうして不埒な事を考えていると、あっという間にギルドに着いたのだ。
魔石の換金とキングの死体の売却をする為だ。
受付のお姉さんにオークキングの討伐と伝えても???だったので、オークのコロニーの討伐証明書にサインがされているのと、領主のコメントで確認したようで、慌ててギルドマスターを呼びに行った。取り敢えず解体所に行くように言われ、キングの体と魔石を出すとやはりかなり驚いていた。オークの肉は上位種程美味で、歯や骨等は魔道具や武器の材料になり、付加効果が高い為に高値で取引される。
魔石が800万Gで死体は1200万G、討伐の報酬と追加依頼の分で合わせて3200万Gになった。護衛依頼で補填してくれたらしい。
そしてこのお金を皆で分配となったが、各自に20万Gのお小遣いで良いとなった。これからお金が掛かるので、冒険で必要なのは俺が払う事となり、お金はほぼ全て俺が持っておく事となり収納にいれた。但し、俺に何かがあるとどうにもならなくなるので、各自に小遣い名目で渡したお金は持っておくのと、変異が終わり一旦落ち着いたらその時点でこのお金をどうするか決める事として、先送りになった。ただ、キングを倒したのが実質俺単独なので、俺が持っておくように皆に言われている。
しかし収納は便利だ。容量制限があるが、少なくとも財布代わりにはなる。貴重品を確実に守る事が出来るのは有り難い。
ギルドを出てから馬車を売っている商会へ向かうが、商会はギルドで教えて貰った所だ。
乗用の馬車は基本的にオーダーするのだと言うが、一応新品だと荷馬車、高級ではない乗用、荷馬車兼乗用ならいくつか有るとの事だ。後は中古が何台かと馬も有るという。貴族や商人向けの高級な乗用馬車の新車は、基本的にオーダだ。
ここに有る馬車は俺が持っているお金で数台は買えるので、なるべく良さそうなのを選びたかったので、旅慣れしているミザリアに任せた。
ミザリアにアドバイスを受けていたが、豪華な馬車が有る所に案内された。見せられたのは中古だが貴族か商人の馬車で、長距離向け用で6人乗り、後ろのドアは荷室用、乗り降り用は横にドアがある。なんでも盗賊に襲われ、主人が殺された為に手放したと。
外観はけばけばしく悪趣味で、内装は派手だが職人は良い仕事をしていた。クッションの質も良い。700万Gと言うが、それは新築の家が買える値段になる。だが旅は確実に楽になりそうだ。
それに客寄せパンダになりそうだと感じた。
「なあミザリア、これは見た目の趣味は悪いが作り自体は良いのだと思うけれども、どうかな?」
「確かに作りは良いのですけれども、襲ってくれと言わんばかりですわね。賭けても良いですが、道中盗賊に襲われましてよ」
「うん。作りが良ければ良いんだ。盗賊には是非襲って欲しいんだよね。俺のギフトはスキルを奪い取る事だから、無闇に一般人からは奪えないじゃないか!?でも盗賊相手なら情けを掛ける必要なんてないだろ?」
「確かに友安様のお力には盗賊達はうってつけですわね。ふふふ。盗賊に襲われるのと、派手で趣味が悪い以外は問題有りませんわ。ではこれを頂きましょうか?」
そうして派手な馬車を購入し、併せて丈夫な馬を手に入れ出発するのであった。
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